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ギターメンテナンス

DIYで行うギター・ベースのナット加工

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~DIYで行うナット加工/理想的なナットの高さや溝の形、溝の角度に調整するコツ/弦楽器のナットは牛骨やTUSQが有名~

買ったばかりのギターやベースで、多くの人が見逃しているパーツがナットじゃないでしょうか?

初級者
初級者

ナットのことなんて考えたことなかった。

上級者
上級者

ナットは弦高や音色、チューニングにも影響するし、Fコードが押さえられないなんてことになるから、とっても大事なパーツなんだよ。

《要点シリーズ》第1章『エレキの上達はメンテナンス次第』③ナット加工のコツ

アコースティックの場合は、通販でもしっかりと高さ調整をしてから搬送している信頼できる楽器店があります。

しかし、エレキ等の場合は、購入者に好みがある(自己調整)ということで、ベストな状態にまでには調整していない物が多いです。

それは私も一理はあると思っています。

ギターメンテナンスは、出来るだけ自分でやるべきだと考えているからです。

graphtechのタスクナットを使ってます。
graphtechのタスクナットを使ってます。

弦に負荷をかけないよう整形するとチューニングが狂わないナットに仕上がりますよ。

ナットの高さ判断

まず、2フレットで押し弦してみてください。

1フレットと弦の底面の隙間が、0.3~4mm程度ならOKだと思います。

紙がスルッと入るくらいです。

人差し指でハンマリングすると 微かにピンピンいうくらいです。

これを1弦と6弦で見て、ナットの削り加工の必要性を判断します。

しばしば Fコードが押さえられないという人を見かけますが、この調整が出来ていないのではないでしょうか?

加工が必要な場合は、ナットを外して底面を削って低くするのですが、失敗することが多い(私も失敗します)ので、ここからの工程は慎重に行ってください。

まず、ナット外しですが、ナットにネックの塗装が少し被っていますので、カッターを入れておくと剥離が少なくて済みます。

ナット外しは、軽く接着剤がついてるだけなので、プライヤーでクッと捻るか、ゴムハンマーでトンと軽く衝撃を与えるだけで外れます。

溝はあとでナットのマウントでガタつかないよう、凹凸を綺麗にしてください。音やチューニングに影響します。

ピッコロベース用に加工・再利用
ピッコロベース用に加工・再利用

画像のナットは、過去に失敗したジャンク(graphtec製)を弦の細いピッコロベース用に加工・再利用したもの。

ナットの削り出し

ここからがナット削りですが、1弦側と6弦側の削りの必要量を考えて、私の場合は60番から180番位の粗いサンドペーパーの上でゆっくり削っていきます。

あとの弦の溝の調整で下がりの微調整ができますので、目標チョイ前くらいで一旦止めます

ナットを仮マウントして弦を音程まで張ります

ナットの底面を削ったら、弦をしっかり張って高さチェック、また底面を削って再チェックを繰返します

とても手間がかかるが、めんどくさいと思うと失敗する

ナットのマウントもカタカタしないように同時にチェックしてください。

最後にやるとアレアレという間に削り過ぎになります

失敗の原因は大体それです。

表側は、接触抵抗を少なくするよう、ペグに向かって斜めにダイヤモンドやすりで削ります。

私の場合は、ナット高の最後の微調整は弦溝の加工で行います。

弦溝は「丸く浅く」滑り易さに徹します

専用ヤスリがない代替として、廃材の弦で溝に合った太さのものを使います。

カッター等でグイッと掘り下げてから、弦でギュッギュッとしごき削りします。

絶対に往復させてはいけません

弦とナットの離れ口が丸まって、サスティンが悪くなったり、鼻詰まり音になってしまいます

以前、ジャコパストリアスのドキュメント動画を見たことがあるのですが、この辺の作業を繰り返し繰り返しやってましたね

彼のベースは、フレットレスですから、独特なサウンドの基礎になっている箇所なのだと私は考えています。

弦は半分だけ沈めるようにすると、チューニングが狂いにくい。
弦は半分だけ沈めるようにすると、
チューニングが狂いにくい。

先ほども書きましたが、廃材の弦を「往復」させて削るとナット掛りの出口(指板側)までも低くなって角がなくなり、音が鼻詰まりになります。

各弦の高さ毎に溝の深さで微調整は出来ますが、プレーン弦は滑るだけなので、わたしはクレンザーや粗目のコンパウンドを注入して慣らしています。

最後に弦が半分溝に隠れる位にナット表面を削ります

半分見えるくらいの方が、チューニングが狂いにくいです。

これで完了です。

フレットレスベースのナット周り
フレットレスベースのナット周り

ナット台座に溝を掘ってます

ジャコのベースもこうなってる

ナットの加工手法は、フレットレスベースを作った時やピッコロベースを作った時、フレット交換した時の弦高の調整に必ず必要になります。

私の行うナットの加工では、グラフテックのTUSQシリーズをよく使いますので、参考までにリンクを貼っておきます。

サウンドハウス/グラフテックTUSQ(タスク)

【まとめ】

弦楽器のナットの高さは弦高に影響しますが、調整している人は少ないようです。

高さや溝の形状、溝の角度は音やチューニングに大きな影響を与えます。

初級者
初級者

作業は難しそうだけど、丁寧にやれば私にもできるかな?

上級者
上級者

慣れた人でも失敗する作業ですが、とても重要な箇所なので、自分で出来るようになった方が良いです。

それほど高価ではないので 予備のナットを準備購入しておけば大丈夫ですよ。

machapero
machapero

《要点シリーズについて》
 通勤・通学の移動時間に、ボリュームのある記事に遭遇すると「この話は、つまりどういうことなの?簡潔に教えてくれないかなぁ!」と思うことが多々あります。
 このため、このページは出来るだけ短く、大事な要点だけをまとめてあります。
 要点シリーズになっているので、前後ページへのシフトやメニューを使って、毎日1ページづつ読んでいけば、自分で行うメンテナンスはバッチリです!

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