~ネックの反りは季節的な温度や湿度でも発生します/トラスロッドの回し方は8分の1づつ回さないと指板が剥がれてきます。~
ネックは季節の温度差で反りが生じるので、年に一度は必ずメンテナンスが必要です。
ネックが反ったら トラスロッドを回せばいいんでしょ?
ただ回せばいいってもんじゃないんだ。
少しづつ回さないと指板が剥がれて、大変なことになるんだよ。
《要点シリーズ》第1章『エレキの上達はメンテナンス次第』⑥ネックの反り
ネックの反り
ネックに、ねじれや波うちがあると、私たち素人が持つ道具では治せません。
しかし、特に極端な症状がなければトラスロッドで調整出来ます。
意外とやり方を間違えてネックを壊してしまう人が多いようです。
よくあるのは、適正サイズのトラスロッドレンチを使わずに無理に回してしまって、六角のメス穴を潰してしまうことがあるので、ミリ規格とインチ規格、差し込みの噛み具合をよくチェックしてから回してください。
サウンドハウス/トラスロッドレンチチェック方法
トラスロッドは、8分の1づつ回します。1回まわしたらチューニングして、最低でも半日は時間をおいて再チェックします。
(1)チェックには、出来れば金属製の50cm位の定規が欲しいです。
弦を張ったままなら、定規をフレットボードに横向き垂直にあてて、全体をしならせると真ん中が少し動く位がベストです。
(2)定規が無くても、2フレットと19フレットあたりで弦を同時に押さえて、中間あたりで弦をハンマリングオンすれば状態は分かります。
微かにカチカチ微音が出るくらいがベストです。
ネックが真っ直ぐかを見る方法がもう一つ。
(3)ネックを画像のような角度で見て、弦の影が指板に映るようにするんです。
その影が真っ直ぐに見えればよいのです。
ついでに4つ目の方法。
(4)ネック横のバインディングラインが直線に見えるかをチェックするんです。
この4つの方法を全部やれば完璧ですね。
これらのことを行っても弦高が高い場合は、ブリッジの高さ調整に映ります。
弦楽器はバランス楽器ですから、まずネックが弦の張力と均衡しているかを確認することが優先されます。
これを怠って「弦高調整=ブリッジの高さ」という考え方は誤りなのです。
ネックの話は、フレットレスベースを作った時の詳しい記事がありますので、どうぞ参照してください。
【まとめ】
ネックの反りは温度や湿度の影響を受けるので季節的に変わります。
弦高に影響するので重要なチェックポイントです。
調整にはトラスロッドを回しますが、大きく回し過ぎると指板等が剥がれます。
8分の1づつ回してください。
ネックの調整って 弦楽器の「命」ってことだね!
ネックは木で出来てるから、計ったようには動かないし、回し過ぎると壊れる。
だから、工房の匠に頼むと1週間くらいかけるんだよ。
《要点シリーズについて》
通勤・通学の移動時間に、ボリュームのある記事に遭遇すると「この話は、つまりどういうことなの?簡潔に教えてくれないかなぁ!」と思うことが多々あります。
このため、このページは出来るだけ短く、大事な要点だけをまとめてあります。
要点シリーズになっているので、前後ページへのシフトやメニューを使って、毎日1ページづつ読んでいけば、自分で行うメンテナンスはバッチリです!