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ギターメンテナンス

DIYでジャンク品をフレットレスベースに仕上げた

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~DIYでフレットレスに改良/ジャンクのジャズベースをフレットレスにしてセイモアダンカンSJB-3クウォーターパウンド取付~

以前、Twitterでも軽く紹介したことがあるのですが、ベーシストのジュンヨシハラが

「フレットレスベースが欲しい…」

と言っていたので、それなら作っちゃおう!

ということで、ジャンクベースを買ってきてフレットレスベースに仕上げました

ロッドの六角がナメていて サドルのイモネジの欠品や 塗装の剥がれがあるものの 手を加えれば まだなんとか使えるジャズベースです

ジャンクベースを買ってきてフレットレスベースに仕上げました。

近くのリサイクルショップで見かけたので 少し値切って4,000円で仕入れました。これをフレットレスベースに生き返らせます

弟子
弟子

すごーい!

フレットレスベースを作っちゃったの?

マチャペロ
マチャペロ

木材から切り出して作ったわけじゃないから改造だね

使われなくなったジャズベースをフレットレスにして復活させたんだよ

これが当たりでイイ音してるんだよね~

DIYでフレットレスベースに改良

はじめはボディーの傷の補修から

まずはボディーの傷の補修から

塗装剥がれは直径1㎝程なので、ポリウレタン塗装をするほどではありません

余っていた車の赤いボディーペンを筆で軽く着色して、100円ショップのエポキシ接着剤を盛りつけました

ちょっと見じゃわかりませんよ(笑)

100円ショップのエポキシ接着剤を盛りつけました。

ブリッジの補修

次にブリッジ・サドルのイモネジ欠品

この写真は交換部品を付けた後です

通販サイトでは、8本セットで税込352円でした

サウンドハウス/ALLPARTS ( オールパーツ ) / GS-0048-003 Pack of 8 M3x10 Bass Bridge Height Screws

フレットレスにするので弦高が低くなることを考えると、イモネジの長さは8本短い物に変更した方が邪魔にならなくてよいです

このブリッジ写真はイモネジを交換した後です

緊張のフレット外し

さて、早速フレット外しを始めます。本来はスチームアイロンやフレットにコテをあてて加熱して糊を溶かすのですが この時は炎天下の真夏だったので フィンガーボードにドバっと水をかけて縁側に少し置いておくだけで 溝の糊がふやけました(笑)

私の場合は「喰切り」を使わずに100円ショップのニッパーを使ってますが 慣れが必要なので 慎重にフレットを浮かせていきます。溝周りはささくれやすいので くれぐれも慎重に

早速フレット外しを始めます。

写真はフレットを抜いた後ですが、よくできましたね。喰い切りの例はコチラ

サウンドハウス/HOSCO ( ホスコ ) / TL-FC190

溝埋めの工夫

溝幅は0.5㎜程度しかありません。溝埋作業はしっかりやらないと、ネックの順反りが慢性化してしまいます

できればカエデ材のメイプルが良いと言われてます

これは あのジャコパストリアスが 自分でフレットレスにした時 接着樹脂で埋めたため順反りするようになったらしく リペアに出した時 工房にあったメイプル材を使ったことから フレットレスの溝埋めはメイプル材となった ようです

こんなに薄いメイプルの端材は材木屋さんに頼んで切り出してもらわないと なかなか手に入りませんね

代替品としてアクリル板0.5㎜を候補に挙げていたのですが 指板すり合わせが上手くいかないはずで どうしようかと近くのホームセンターに行ってみたら マホガニー材の1mm端材があったので これを使うことにしました

溝の埋め込み

1本1本丁寧に差し込み作業を行います。

1mm厚を0.5mmにするには 包丁の砥石の上に材料を置いて粗目の水ペーパーで水をかけながらゴシゴシ薄くしました

砥石のぬめりが出たら拭き取ってはいけません

漆職人は漆樹液に砥石のぬめり液を混ぜて塗面を定着させています

1本1本丁寧に差し込み作業を行います

本来はタイトボンドで接着しますが 今回は 後ほどネック全体をポリウレタンを塗る工程があるので 一般的な木工接着剤を使い この接着剤と砥石のぬめりが混ざることで固い仕上がりにしました

そして出来たのがこの写真の状態

イイ感じです

指板すり合わせ

表面擦り合わせ作業です。

次は表面擦り合わせ作業です。サンドペーパーを取り付けるハンドサンダーを使うと指板のアールを崩すことなく削れます

ホームセンターで売っています。この工程もバランスを見ながら丁寧に行います

この作業で使ったハンドサンダーはフレットのすり合わせでも使います

指板とネック全体の塗装

フレットレスのネック仕上げは エポキシ樹脂を使うのが上級手法ですが 別の記事でとりあげた 車の塗装に使う二液性のポリウレタンのカースプレーをカーショップで買ってきました

本工程の材料費で一番高い約2,500円(笑)

通販なら2,000円ちょっとで買えます

ガソリン耐久性があるものはもっと高いですね

表面はツルツルで固い仕上がりです

ラッカー塗装では ここまでは上手くいきません

このジャンクベースは もともとが塗装がしてあるのか わからないくらいの肌だったので 針金で吊るして全体にスプレーします

二液性ポリウレタンは 缶の中でエポキシとポリウレタンが混合するようになっているので 使い置きは出来ません

一缶全部使いました。これらもいい感じの仕上がりです

組み立てとピックアップの交換

一晩乾かして早速組み立てです

ついでにピックアップも交換

トーンチャート(B7,M3,T6)から考えて セイモアダンカンのSJB-3クウォーターパウンドのネック用とブリッジ用にしました

フレットレスのバチバチ感をハッキリ出したいのが狙いです

フレットレスのバチバチ感をハッキリ出したいのが狙いです。

このピックアップは それぞれが逆巻き・逆極性になっているので 同位相のハムキャンセルになっています

もし 逆巻き・同極性だと 打ち消し合ってフェイズアウトになりますね。ストラトでよく使う方がいますが…。

セイモアダンカンのSJB-3クウォーターパウンドのネック用とブリッジ用にしました。

サウンドハウス/SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SJB-3n Quarter Pound Jazz Bass Neck

サウンドハウス/SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SJB-3b Quarter Pound Jazz Bass Bridge

ナットの掘り下げ

フレットがなくなった分 ナットとサドルはかなり下げなければなりません

弦はナットからペグに向かって斜めに張っているので ナット台座に弦の通り道を掘り下げる必要があります

写真で分かりますかねぇ?

ナットの手前に堀があるでしょ?

ナットの手前に堀があるでしょ?

サウンドハウス/GRAPHTECH ( グラフテック ) / PQL-1214-00

ネック角の調整(シムの挿入)

弾いてみてビックリ!

思っていたより迫力のある良い音です

私が試奏しながらコンディションを整えている中で ボディーをもっと鳴らすには ネック角が必要になってきました

これは弦振動のベクトル方向をボディー側に向けるためです

from junk

幸いジョイントネックなので 0.5mmのアクリル板で作ったシムをジョイント部の根っこに挟んでみたところ ボディーの響きは格段に良くなりました

既製品も出ています

サウンドハウス/ ESP ( イーエスピー ) / NECK SET SIM 一覧

早速、ベーシストのジュンヨシハラが弾いてくれました

とても気に入ってくれたので良かったです

【まとめ】

リサイクルショップで買ってきたジャンク品のジャズベースを自分でフレットレスベースに仕上げました

二液性ポリウレタンで指板塗装を施して ピックアップもセイモアダンカンSJB-3クウォーターパウンドに交換

迫力のある良い音出てます

弟子
弟子

ギターやベースのメンテナンスのノウハウだけじゃなくて 車の板金塗装のノウハウとか 家の木工メンテナンスの経験が 随所に活かされているってことだね!

マチャペロ
マチャペロ

DIYは幅が広いからね

プロではないので浅く広くだけどね

だから みんなにもオススメだよ!

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