~DIYでフレットの片減り補修/フレットを擦り合わせする前に部分補修を考える/正常なフレットまで削りたくない人にお薦め~
錆びた弦で弾き続けている状態を放置すると、フレットのトップが平たくなり、しまいには凹んできます。
こうなると音の出が悪くなったり、ビビり音が出たり、音程も合わなくなります。
《要点シリーズ》第1章『エレキの上達はメンテナンス次第』④フレットの片減り
早めのフレーズで音がはっきり出なくなってきたんです。
練習不足?(笑)
弦とフレットは常に「点」で接触するのが理想だから、減っていると発音が悪くなるね。
フレットを整形するにはイイ方法があるよ。
フレットの片減りは、一般的にフレットの「擦合せ」を勧められますが、フレット全体の高さバランスをとる程でないのなら、フレット高を長持ちさせたいので、フレットの壁面削りのみで整形を行う方法もあるんです。
指板プロテクター
材料や道具は、100均にあるダイヤモンドヤスリで賄うことが出来ますが、指板プロテクターが必要なので別途調達は必要です。
最近知ったのですが、このフレット作業に使う「指板プロテクター」やダイヤモンドやすりがセットで販売しているようです。リンクを貼りましたので一覧から必要な物を探してみてはどうでしょうか?
作業ですが、まずフレットだけ見えるように、指板をマスキングテープで養生します。
次にフレットを黒マジックで塗ります。
これは、後で見分けがつきやすいように、真っ黒にしっかりと塗ってください。
マジックの横に見えるのが、削るときにフレット周りの指板を保護するステンレス版(指板プロテクター)です。
平型ダイヤモンドヤスリやすりで、フレットと弦との接点が細~い直線で残るように、壁面を削っていきます。
削る前に、フレット周りの指板を保護するステンレス板(指板プロテクター)を必ず使ってください。
画像のマジックペンの横にあるやつです。
ローフレット用とハイフレット用の2種類がセットで、大体500円位です。
これがないと、ダイヤモンドやすりの端がマスキングテープを突き抜けて指板を傷つけてしまいます。
指板が傷つくと結構目立ちます。
綺麗に補修するのは難しいです。
さあ、フレットを削っていきましょう。
削りの工程では、周りがしっかりと養生されていれば、結構大胆に削っても大丈夫です。
これでフレットの断面は富士山状が丸山になっていきます。
画像にある弦の打痕はご愛嬌。
フレットに着色して作業する
黒マジックが残った線は、ほそーい、ほそーい「直線」になるように削ってください。
また、フレットの断面を丸山にするか三角山にするかで、音やメンテ回数に影響しますが、私は三角山にしています。
セミアコなので立ち上がりの良い音色が欲しいからです。
さて仕上げは、100円ショップで売っている台所用のスチールたわしで、フレットを研磨してまずは完了。
この段階では、フレットの輝きはありませんが、弦とは接点でしか触れませんので、輝きは音には関係ありません。
左手のフィンガリングの感触を大事にする人は、さらにフレットがピカピカになっている方が弾き易いと思いますので、ピカールや板金塗装のコンパウンドで磨くと良い仕上がりになります。
この磨きの工程に失敗はありませんので、思い切り磨いてみてください。
はい、完成です。
ピカールなどで磨けばピカピカになりますが、100均になかったのでこれで完成にします…。
今回紹介した作業方法の効果は、別ページの「自分で行うフレット交換」でも記事にしています。
【まとめ】
錆びた弦でそのまま弾き込んでいくと、フレットは片減りしていきます。
正確な音程や音詰まり、ビビり音など、いつの間にか上達の妨げになっています。
従来の擦り合わせの方法だと全部のフレットが削られますが、ここでは違う方法でフレットを整形する方法を採り上げました。
《要点シリーズについて》
通勤・通学の移動時間に、ボリュームのある記事に遭遇すると「この話は、つまりどういうことなの?簡潔に教えてくれないかなぁ!」と思うことが多々あります。
このため、このページは出来るだけ短く、大事な要点だけをまとめてあります。
要点シリーズになっているので、前後ページへのシフトやメニューを使って、毎日1ページづつ読んでいけば、自分で行うメンテナンスはバッチリです!