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ギターメンテナンス

あれっ!ナットが割れてるじゃん

この記事は約4分で読めます。

~チューニングが合わない原因はナットの割れだった/プラスチックナットの劣化/アコギはマーチン用のTUSQナットの加工でOK~

アコースティックギターのチューニングが合わないため ナットの異変に気付いたオーナーから対応相談がありました

弦に隠れて見にくいところでしたが 溝に沿ってナットが割れています

溝に沿ってナットが割れてます
溝に沿ってナットが割れてます
マチャペロ
マチャペロ

このところ ナットの交換修繕が続いていますが 真っ二つに割れたのは しばらく見たことなかったです

作業開始

劣化したナットがポキポキ割れる

ナットを外そうとすると…

4弦の溝と6弦の溝の2箇所が割れていて プラスチックの経年劣化で 取り外しの最中に簡単にポキポキ折れる状態でした

これでは チューニングが合わないはずです

何箇所も割れてます
何箇所も割れてます

ナットの選定

プラスチック製だと また劣化の繰り返しになるので 人口骨のTUSQの出番です

早速 サイズを測ると 長さ44㎜ 幅6㎜ 高さ9㎜

概ね マーチン用の交換ナットで対応出来そうです

近似値のナットを探して 早速注文しました

マーチンサイズのナットを注文
マーチンサイズのナットを注文

サウンドハウス/GRAPHTECH PQ-M600-00

取付け加工

先ずは 溝のクリーニングから…ナットの定着には 欠かせない作業です

これを怠ると 溝の掘り下げ調整をした後に弦を張ると ナットが沈み込んで 場合によっては ナット材の購入し直しになります(私は過去に失敗しました)

溝のクリーニング
溝のクリーニング(必須)

さて 届いたナットをそのまま仮付けしてみます

マーチン用のナットは 底面が斜めになっているので このギターの溝に取り付けるには加工が必要ですね…

ナットをそのまま付けてみると…
そのまま付けてみると…

ナット底面を削って角度を修正します

底面を削って角度修正
底面を削って角度修正

アクシデント

ナットの交換作業では 高さ調整をするために 弦を張ったり 緩めて避けたり 弛緩を繰すことになります

もともと張ってあった弦は 錆びていたので 作業中に切れるかもなぁ…とは思っていたのですが 予想通り パン!という音とともに3弦(巻き弦)が切れました

私の調整方法では 弦がないと先に進めません…

やっぱり弦が切れました
古い弦は やっぱり弛緩に弱いです

納期を急いでいたので 通販で取り寄せるより高かったけど 地元で調達しました

それでも 現行品の旧モデルがあったんで 安くはなってましたww

マーチンM170弦
10-47で弾き易い

サウンドハウス/【マーチン弦M170後継品】 MARTIN MA170 AUTHENTIC ACOUSTIC SP 80/20 BRONZE Extra Light

作業再開(弦高調整)

底面加工したナットを取り付けて ナット高を見ます

これからの作業は 私が最も苦手な工程です…失敗すると修復できないですw

私は 3フレを押さえた時 1フレとフレットの隙間が ほんの僅か開いてるくらい(0.15㎜位)まで攻め込みます

弦高がイイ感じまで下がってきた
弦高がイイ感じまで下がってきた

あまり高い時は ナット本体の底面を削りますが かなり近づいてる時は ナット溝を掘り下げて調整します

今回は 近似値のナットを使ったので ナット溝で調整すればOKでした

掘り過ぎると戻せない…集中集中
掘り過ぎると戻せない…集中集中

エレキの場合は 私はナットのトップを削って 溝を浅くするんですが アコギの場合は 弦の振幅が大きいので このくらいでヨシとします…ww

溝の角度も付いてるんで 妙な音もありません

こんな感じで終了かな?
こんな感じで終了かな?

作業終了

ローフレットを弾いた感じは 私のメインギター(セミアコ)の感触と 同じくらいまで調整出来ました

弾き易いです

納品
納品終了

まとめ

各種ギターのナット交換が 偶然続いていますが 私が苦手な作業なんです…w

3フレを押さえた時 1フレとフレットの隙間が ほんの僅か開いてるくらい(0.15㎜位)まで攻め込む工程は 神経を集中させます

今回の記事のポイントを押さえれば 皆さんもチャレンジできると思います(自己責任ですが 部品を再調達すれば やり直し出来ます)

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