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ギターメンテナンス

P90シンラインの配線変更の記録

この記事は約8分で読めます。

~P90シンライン・スポルテッドメイプル/4段スイッチの配線変更/ビンテージ配線の解消と500kΩ&0.047μfについて~

3万円台のP90シンラインと 同社の約5,000円のギグバッグを購入しました

マチャペロ
マチャペロ

生産の谷間だったらしく 注文から届くまでに10か月半かかりました…

Michael Kelly P90 シンライン スポルテッドメイプル
Michael Kelly P90 シンライン スポルテッドメイプル

サウンドハウス:Michael Kelly Guitars/ Ele Gtr 59 “F” holes thin lineP-90’s Spalted Maple

サウンドハウス:Michael Kelly Guitars/ MK Electric Guitar Gig Bag

40年ぶりの新入り

届いたスポルテッドメイプルの柄は ン~って所があるけれど そもそもスポルテッドは不規則に樹液の筋があるものだから 欲を言うものではない と自分に言い聞かしてます…ww

スポルテッドの筋が多くて トラ杢(フレイム)も入っているものが良いらしいのですが とても微かなフレイムが見えますww

あっさりしたスポルテッド
あっさりしたスポルテッド
とても僅かにフレイムが
とても僅かにフレイムが・・・

テレキャスターの仕上がりは 裏面のストリングブッシュが直線になってるかを視るけど 間隔が少しズレてる…

それから P90のブリッジ側が傾いでマウントしてる…(前掲の画像は修正後です)

それ以外の細部はOK 金額の割には よく出来てると思います

ネックは 木の端っこで大量に採れる板目材です…廉価版じゃ仕方ない

5~6弦側が板目 1~2弦側が柾目です

板目は 強度があって 耐水性があって 桶などに使われるのですが 私のはヘッドの断面を視ると 横方向だったので 順反り 逆反りは覚悟します

柾目は反りにくいと言われますが 曲がるとしたら横方向なので 捻れに注意ですね

指板は ローステッド ジャトバ

ジャトバは とても固いので フローリング材に使われるそうです

表面が赤茶く リボン杢が全面に入っていて フレイム(トラ杢)のように 反射します…こういう指板は初めて使います

板目材の反りを抑えてくれるかな?

バックはマホガニー
バックはマホガニー

このP90は 思ったより音太で ハムバッカ―のパラレルサウンドに近い印象…

ん? セレクタースイッチが4wayだったのは 手にするまで気付きませんでした…配線がどうなってるか気になるなぁ

スイッチの設定順が少々使いにくい… 早速 配線変更したい(後述あり)

さぁ面白くなってきたぞ~

配線変更の主な過去記事

さっそく改造したい

4wayスイッチの配線変更

4wayスイッチの既存の設定は ミックス(シリーズ) → ネック → ミックス(パラレル) → ブリッジ でした

私は スイッチの向きで 鳴らしてるPUを認識するので 設定順を ネック → ミックス(シリーズ) → ミックス(パラレル) → ブリッジ にしたいです

そこで いつものフリーハンドの図面作成

いつも図面を描いてから作業に着手するのは これが手順書にもなっているからです

ハンダ作業は 手戻りがあると厄介ですから…

配線変更プラン図
配線変更プラン

後述しますが この図面は後で少し追記したものです

実は この段階ではジャックアウトへの配線がトーンポットから出ていることに 気付いていませんでしたww

疎通テストと新たな課題

4wayスイッチの設定変更後
4wayスイッチの設定変更後

図面のおかげで効率よくハンダ作業が終わりました

接続後に疎通テストを行いました…そこで??な点が

私は 長年 ハムバッカー仕様のセミアコを使っているので 脳が記憶しているミックスの音のイメージが 今回 全然違うことに違和感を感じました

そもそも ネックとブリッジのPUバランスが出来ていないのではないか?

P90のフロントとリアのミックスバランスは ハムバッカーより難しい…

ハムバッカーPUの高さ調整は長年の経験があるんで ミックス(パラレル)を念頭に置いた 自分の既定値があるんだけど P90には通用しませんでした

特に今回は 4段セレクターのミックスがパラレルとシリーズなんで イチから試行し直し…

P90って気難しいPUって印象だ… 手応えがあって面白いオモシロイw

P90って気難しいPU

1弦と6弦側の高さ調整にも言える事なんですが P90は ピッチの大きい木ネジでボディにマウントしてるから 1/4巻きで音量の変化が 私の聴覚でもわかるくらい振り幅がありますね

シングルコイルのストレートな音色特性も影響してるんだと思います

この事が ミックスの音質に大きく影響してます

ハムバッカーの調整とはレべチ

理想のミックス音になるまでに やり直しを繰り返して 3時間も悪戦苦闘しましたww

P90の高さ調整は難しい
P90の高さ調整は難しい

ミックスのイメージが違う原因は 他にもあるのでは?

念のために もう一度配線をチェックしました

ありゃりゃ… トーンポットからジャックアウトしてるなぁ(前掲 図面参照)

トーンポットから出力?
トーンポットから出力?

これは ビンテージテレキャスの頃の配線方法ですね…

ボリューム下げてトーン効かせると 全体が闇に包まれて良く聴こえない感じになるかも…

やっぱりボリュームポットの2番端子(真ん中)から 鮮度の良い音をジャックへアウトしたいです

セレクターの配線変更と一緒に施工すれば良かったのですが その時は気付いていませんでした…

追加の配線変更

このギターは 50年代のテレキャスをテーマにしているため 53年~67年頃のビンテージ配線のように トーンポットからジャックへ出力している事は なるほど なのですが トーンポットがバイアスになる事で 生じる独特な癖は 私の望むところではありません

TonePot → Vol.Potからのアウトへ

テレキャスビンテージの配線は 使用感に癖があるんで変更しました

ボリュームからジャックアウトへ
ボリュームからジャックアウトへ変更

ありゃりゃ?逆位相になってるじゃん!

PUって交流回路だから+-逆でも鳴るんで ミックスにしたら「ありゃ?フェイズアウトしてるぞ…」なんて事があります

特に外国生産だと シリーズ用の3本取出しの線(ホット コールド アース)の色が 日本の常識と違ったりするんで 紛らわしいです…

納品状態で逆位相だったw

実は 納品状態で逆位相になってたんです

シリーズ(直列回路)なのにフェイズアウトさせるの?

そういう仕様なの?

生産時の配線ミスだろ?

なんて呟きながら とっとと自分で配線を修正しました…

50年代のビンテージテレキャスをテーマにしたギターなので もしかして 逆位相(フェイズアウト)でパリパリ感を狙った仕様なのかもしれません…

ミックスの違和感が解消

逆位相(フェイズアウト)を同位相(フェイズイン)に修正したところ 今度はシリーズの音が太くなったので これまで変更した4wayスイッチの設定順が 逆に扱いにくくなってしまいましたww

手戻りになってしまいましたが ミックス(シリーズ) → ネック → ミックス(パラレル) → ブリッジ の順に戻しました

ブリッジPUのマウント修正

画像は撮り忘れたのですが P90はスプリングと硬質スポンジで嵩上げしながら 細い木工ネジ2本でマウントされています

このうちの1本がズレて ねじ込みしてあったので PUの筐体がザクリの側面に当たって傾いでいたのです

これは音にも影響しているハズです(日本の職人なら考えられない やっつけ仕事…と言いたくなる)

色々直すところがあって楽しい…(皮肉)

固定ネジの穴をあけ直して 綺麗に上下するようになりましたが ネジが細くて頭が小さくて おまけに底部のマホガニーが思いのほか硬いので プラス溝が舐めてしまいそうでした

元の穴は フランクリンタイトボンドの赤ラベルで爪楊枝を突っ込んで終了… 見た目は分かりませんw

ポット500kΩ キャパシタ0.047μfについて

P90の場合 ポット300kΩ (tone500kΩ) キャパシタ0.033μfって よく聞きますね

このギターにはvol.500kΩのA tone500kΩ A キャパシタ0.047μfが付いてました

Vol.は Bカーブをいつも使ってるんですが その他の数値は それはそれで 理に適ってると思います

サウンドハウス:ポット一覧

サウンドハウス:キャパシタ一覧

施工完了

前項で 「理に適ってる」と言ったのは何故か?

付いているRockfield P90 ピックアップは ネック 7.36kΩ ブリッジ 9.97kΩ の出力があります

強いミドルとバイト感(噛み付くような尖った音)のあるPUなので 250~300kΩのポットで内部的にハイを抑えるのではなく 必要に応じて0.047μfのキャパシタで弾き手がコントロールした方が ワイドレンジで扱えると考えたためです

テレキャスターのポットやキャパシタは テーパーを含め 多種多様な組合せがあります

500kΩ&0.047μfの組み合わせは 現在のところ 私がこのギターに望んでいた元気で幅広な音を出してくれてますので 今回はこれで施工完了にします

まとめ

P90シンライン・スポルテッドメイプルを使用開始

4wayスイッチのシリーズとパラレルの設定位置を変更

53年~67年頃のビンテージ配線のように トーンポットからジャックへ出力していたため 配線変更で解消

テレキャスターのポットやキャパシタは 多様な組合せがあるので 色々試してゴールを探す

【 追伸 】実験してみます

あちゃ~ トーンポットが ガリってきた

良い機会なので vol.500kΩ B, tone 250kΩ A にして 0.033μf にしてみます

ポイント使って 早速注文

今後 ストリングガイドも もっと滑るやつにしたい

まだまだ続くぞ~楽しい 楽しいww

《動画》色気まで引き出せたかな…

~ということで 何種類かの配線変更やメンテナンスで こんな感じの音が出るように仕上げました

シリーズ→フロント→パラレル→リア の順に それぞれVol.10と7∼8程度の2種類で 計8つの音色の録画です

これは3万円ちょっとのギターですが 色気まで引き出せたかな…と思ってますww

試奏20240402_093143
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