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ギターメンテナンス

使用済みナットを5弦ベースに再利用

この記事は約5分で読めます。

~ナットの再利用/ギターの使用済ナットを5弦ベースにリユース/ベースのナットは小さいのでギター用を削って再利用できるかも~

今回の記事は ジュンヨシハラがワンマン公演の2日前のリハーサル中に メインベースを転倒させてしまった事から始まります

ペグの致命的な破損

リハーサルスタジオのジュンヨシハラから 私に画像が送られてきました

ペグの台座の蝶番部分が 両方とも折れています

致命的です…

ペグ破損
4弦ペグの台座がポッキリ

同様のサイズのパーツを手に入れるのには時間がかかりますが 本番は2日後です

マチャペロ
マチャペロ

大ピンチです…

画像を見た私は AtelierZの中野のリペアルームなら交換品を常備しているハズなので 下北沢から中野に向かうようアドバイスしました

(この時 私はリハーサルは下北沢でやってると勘違いしていました )

今居る中野にAtelierZがある!

ペグは無事正規品に交換

後で聞いたのですが リハーサルは中野のスタジオでやっていたのだそうです

ジュンヨシハラは AtelierZにベースを持ち込み その場で原状復帰してもらって 本番に間に合いました

近くて良かったです

ペグ交換修繕
ペグの復旧は間に合いました…しかし

しかし 5弦側のナットも一部欠けています

5弦のナットが欠けてる…
5弦のナットが欠けてる…

彼は AtelierZのリペアスタッフと相談した結果

弦の溝は まだ残っているので ワンマン公演は 現状で乗り切ることにしたそうです

ナット交換作業

ナット材の準備

ジャンクナットの再利用

さて 本番は無事乗り越えることが出来ました

私は 公演実施中に 次期ナット材の調達作業に取り掛かります

通販のカタログで 同様のサイズの物を探している時に ふと思い出したのですが 先日 私のギターのナット交換をして廃材が残っているハズです…

ベースのナットは セミアコのナットより小さいので 削り出しは可能かもしれません

ギターの廃ナット
グラフテックTUSQのジャンク

セミアコのナットを交換した記事を以前投稿しましたが この時の使用済み部品です↓

素材に問題はありません グラフテックのTUSQです

これを元に 土台の粗削りを始めました

粗削り出し
これを元に作成してみます

これでダメなら 5弦ベース用ナットを調達すればよいのだ と考えました

サウンドハウス/5弦ベース用ナット

ナットのサイズ合わせ

このメインベースは 今日は使わないそうなので 預かって 早速作業に取り掛かります

自作のネックピローに載せて作業開始
自作のネックピローに載せて作業開始

今回は ジャンクナットを再利用したいのですが 溝の深さ次第では 材料の高さが足りないかもしれません

現行のナットを抜いてみます…

現行のナットを外す
現行ナット。溝の深さはどうだろう…

塗装はナットに被ってなかったので いつものように コンコンと叩いて 簡単に抜くことが出来ました

溝は深くなかった
溝の深さは 指板の厚みだけですね

この深さなら 手持ちのジャンクナットの高さでカバー出来ますね VV

切削作業

あらかじめ削り出しておいた ジャンクナットを 溝に合わせて ひたすら ザクザク ゴシゴシ 削ります…

ひたすら削る
削ってサイズ合わせ

削り過ぎないように こまめに溝とのサイズ合わせを行いますが その前に必ずやっておくことがあります

ナット溝のクリーニング
フレット交換を思い出します

溝のクリーニングです

これを怠ると 弦を張ってからの沈み込みが大きくなって 取り返しのつかないことになります

削り過ぎたナットは 元に戻せませんから…

さて ようやく差し込みまで作業が進みました…汗汗

ぴったりハマりました
ぴったりハマりました

ぎゅっとハマるので 最終工程で接着剤を使わなくても良さそうです VV

ナットの溝付け

ナット作業で 私が最も苦手な工程です…

溝の位置決め
溝の位置決めと仮掘り

今回は 元のナット溝に重ね合わせて 仮の掘り付けが出来たので 無事 位置決めがスムースに出来ました

元のナットに近い形状にまで加工したのがコレ↓

溝を付けた再利用ナット
溝を付けた再利用ナット

この画像を見ると 向こう側に向けて溝が上がってますね…

溝は傾斜を付けて掘らないと ビャ~ンとか鼻詰まりのような音だったり 弦の振動が乱れて サスティンが著しく悪くなるので 丸棒ヤスリの角度に気を付けて 掘り込んでください

弦高調整

取り付けてみると こんな感じです

もう少し調整が必要ですね(溝の掘り下げ ナット底面の切削など)

取り付けてみた
取り付けてみた

取付→チューニング(ナットが完全に沈んだ状態にする)→溝の掘り下げ・ナット底面の切削など↩

~を繰り返して ベストな状態(3フレを押さえた時に 1フレと弦が触れる寸前の高さ)に調整します

作業終了

ジュンヨシハラの作業部屋に戻しました パチパチ

ローフレットの弦高が 画像の後ろに映っている4弦ベースと同じになるように ナット調整しました

ユーザーには満足していただけると思います

納品した後 ユーザーの感想や要望を聞きながら 必要に応じて 通常メンテナンスの中で再調整することにします

ナット交換終了
ナット交換終了

まとめ

ナットの再利用

セミアコの使用済ナットを5弦ベースに再利用

ベースのナットは小さいので 削り出して再利用が可能かもしれません

使用済みのギターパーツは 捨てずにとっておくと 困った時に役に立ちます

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