~メダカの成魚は稚魚を食べてしまう/産卵と繁殖の数は等しくならない/種の保存と矛盾した行動/孵化は別の浅い水槽で行なう~
そもそも何でメダカを記事にしてるのか?
それは、当時小学生だったうちの子供が、たくさん黒メダカ(実際は既に雑種になっていた。)をもらってきた事から始まったのです。
地元のライオンズクラブや有志が、「近くの自然公園にいる黒メダカが、このままだと外来種と混血して絶滅してしまうので、各家庭で飼育してほしい。」
という趣旨から頒布活動をしていたのです。
子供がもらってきた生き物を大事にしようと思ったんですね?
そうそう。
私は初めは消極的ながらも、一旦はじめてみるとハマりやすい気質?なんですよ。(笑)
繁殖力=産卵力?
さて、今回の記事に入りますが、メダカは凄まじい繁殖力をもっています。
正確に言うと強い産卵力を持っています。
しかしながら、孵化した稚魚が泳ぎだすと、成魚はその稚魚を捕食してしまいます。
これはメダカに限ったことではなくて、グッピーなどでも同様です。
グッピーは外部に産卵するのではなく、卵をおなかの中で孵化させて稚魚の形で産みますので、一見、哺乳類のような胎生であるかのように感じます。
このため、卵生の他の魚類よりも高度に進化しているようにも感じます。それでも自分が産んだ稚魚を即座に食べてしまいます。
別の記事で掲載したのですが、私は熱帯魚飼育の経験があって、ディスカスの繁殖経験があるのですが、ディスカスは稚魚を食べたりしません。
体表から「ディスカスミルク」と呼ばれている体液を分泌して稚魚に与えます。
マウスブリーダーと言われる魚も外敵から稚魚を口の中で保護します。
答えは「脳の大きさに比例して認知力に違いがある。」ということなのだと思いますが、悶々と「産卵力=繁殖力」ではなく「(産卵力ー子を捕食)=繁殖力」→「産卵力>繁殖力」であるという現実の矛盾を私は感じ続けているのです。
(私は専門家ではないので、環境による稚魚の自然淘汰は、ここでは考慮していません。)
親が子を口にくわえて泳ぎ回っているのは、やっぱり衝撃的ですから…。
鳥に狙われやすい白メダカ
白メダカは突然変異ですが、現代の遺伝子操作で誕生したのではなく、江戸時代の文献に記述があり、少なくともその頃には生息していたという記事を見たことがあります。
それではなぜ日本古来の黒メダカが種類分別を継続できたのでしょうか?
もしかして、黒メダカはこの頃には既に純血種ではなかったのかもしれませんね。
さて、別のページでも紹介していますが、我が家の白メダカは小庭にトロ箱水槽を5器並べて飼育しています。
複数器が必要なのは、成長の度合いにより5つに分別して弱肉強食を避け、生存率を高めているのです。
そのうちの1つの水槽は一番大きいランクの成魚がたくさん入っていたのですが、このところ、観るたびに減っているのです。
1~2年が寿命と言われているので、それかな?と思っていたのですが、どうも減り方が急激で何かおかしい。
ある日、室内から水槽方向をボーッと見ていたら、カラスが水槽の淵にとまって白メダカを狙っているではありませんか。
そういえば、子供の頃、近くのお寺のスイレン鉢に金網がしてあって、何でだろうと思っていたことを思い出しました。
真夏になるとメダカ水槽にスズメがたくさん来て水浴びをします。
その時はメダカの数は減るわけでもないので、のどかな風景として肯定的に観ていたのですが、カラスは強敵ですね。
黒系のメダカは、保護色として見つかりにくいのでしょうけれども、白くて人間でも一目瞭然の白メダカはひとたまりもありません。
水槽内には流木や藻が繁殖していますから、隠れ家はあるはずなのですが、流木の位置がかなり動いているところを見ると、カラスはくちばしでそれをどかして捕食しているようです。
ただし、くちばしが大きいので大きいメダカしか食べれないようです。
250の法則と色々な卵採取の事例
メダカの卵は250の法則で孵化します。
どういうことかというと、25度の水温なら10日で孵化します。
極端な例かもしれませんが、真夏の猛暑で水温が30度以上ある場合は1週間で孵化します。
実際にそういうことを経験したことがあります。
産卵床の方法は、毎年決めているわけではないのですが・・・。
ホテイアオイ
これは定番ですね。繁殖させるのに一番良いやり方だと思います。
独立水槽によく卵を持つ雌を1匹と雄を2~3匹入れて、ホテイアオイを浮かべておく。
そうするとフサフサの根に毎日たくさんの卵を産み付けます。
人によってはホテイアオイを何株か用意して、卵を付けたまま別水槽に入れて孵化させる方法を行っていますね。
孵化したらその株をまた産卵水槽に入れ替えるという方法です。自然で理想的です。
我が家では、過去にこの方法を行っていましたが、水槽がたくさん必要になることや、産卵日の管理などが必要になって逆に手間に感じます。
このため、私は同じホテイアオイで卵を手でチョイチョイ取って育成水槽に移転させます。
その水槽には既に孵化した稚魚も一緒にいます。
サイズの小さな稚魚は生まれたての稚魚を食べるほどの口の大きさはありませんから大丈夫です。
つまり、先輩稚魚のうち、大きくなったガキ大将は、他の幼稚園水槽に移していくわけです。
シュロ
今では近所にシュロの木は見かけませんね。
シュロは、熱帯魚飼育ではネオンテトラなどのカラシン系の卵生魚の繁殖で使うことが知られていますね。
私は、代替品として100均にある机上の消しゴムのかすの掃除用の刷毛がかなり近い感じなので、それを使ってみたことがあります。
結果はメダカには気に入れられませんでした。
毛糸
毛糸は本で紹介されていたので、試してみました。
ボンボンを作って沈めておいたのですが、メダカは水面際に産卵しますので、沈めると産み付けませんね。
水面際に吊るしてみたのですが、吸水性がいまいちなのでメダカも気に入らなかったようです。(笑)
また、産み付けたとしても毛糸が柔らかすぎて手で卵を採取しにくかったです。
交配を何年も続けると奇形が出てきます
遺伝学的な知識がないので詳しい表現ができないのですが、いわゆる「血が濃くなる」ということでしょうか?
交配を何年も続けると奇形の発生率が高くなってきます。
我が家の水槽も2年前に新らたに10匹を補充したところ、奇形の発生を抑制することができました。
今年は越冬できるだろうか?
我が家は横浜市の中でも内陸側で、冬には雪が積もります。
皆さんの横浜のイメージでは港町で市内全体が平坦な都会だと思っている方が多いのではないでしょうか?
横浜市は、港側から10kmくらい内陸に向かうと山坂ばかりで、標高も高くなりますので、我が家の冬はとても寒いです。
画像のように雪が積もります。
メダカは水温の適応幅が広いので、凍ってしまわない限り越冬の可能性は高いですが、かなり数は減ってしまいます。
水槽底の藻や泥の中にもぐって越冬します。
心配なのは、前述した大きい成魚が鳥にほとんど食べられてしまったので、中堅クラス以下のサイズのものがたくさんいる現状なのです。
越冬の体力があるかどうか…。
このことについては、また時期が過ぎたら結果を記事にしたいと思います。
【まとめ】
メダカはたくさん卵を産んで繁殖しようとしますが、一方では親が稚魚を食べてしまうという矛盾を繰り返します。
白メダカは鳥に狙われやすいこと。
25度の水温なら10日で孵化するという250の法則。
ホテイアオイやシュロ、毛糸などの産卵床の紹介。
交配を続けると奇形が出やすいこと。
水温の適応力があり越冬ができることなど。
いろいろ調べないと分からないことが、まとまっているのでためになりました!
飼育の本には断片的に書いてあるんだけど、何冊か調べないといけないのは手間だよね。
役に立てばうれしいです!