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電子工作

DIYで行うエレキ配線のはんだ付けのコツ

この記事は約9分で読めます。

~DIYでハンダ付け/エレキのはんだ付けはケスター44が有名ですが、電気伝導率が高い銀入りの精密電子工作用の半田がお薦め。~

これまで、エレキギター・ベースのメンテナンスや自分の音作りのための電子工作などについて記事にしてきましたが、たびたび出てくるのが電気的な配線工程の記事でした。

エレクトリックの配線ということになると、ジャックやプラグによる結線など様々なつなぎ方がありますが、エレキギター・ベースの内部配線では「はんだ付け」による結線方法になりますね。

はんだ付けなんてやったことな~い!

マチャペロ
マチャペロ

そ~かもね…。

扱い方は難しくないから、チャレンジした方がメンテナンスの幅が広がるよ。

ところでエレキ使いの皆さん、はんだごてを持っているんでしょうか?

そうなると、私がこれまで記事にしてきた おすすめのDIYを行おうとすると「はんだごて」がなければ実施できないし、はんだ付けの経験のない人は億劫になっているかもしれません。

これまで私は、電気はんだごてを皆さんが持っていることを前提にドンドン話を進めてしまいましたので、今回は、はんだごての選び方と使い方について触れたいと思います。

私の愛用の「はんだごて」85Wです。
私の愛用の「はんだごて」85Wです。

はんだごては、通販でも広く売っていますが、8W(ワット)程度のものから、100レベルのワット数の物まで選択の幅が広いです。

電子基板などの回路の結線ですと、一般的に20Wから30Wの電気ごてを使うと言われています。

これは、コンデンサ(キャパシタ)やボリューム(ポット)等の電子部品は、過度な高熱に弱いからです。

20Wで約400℃、30Wで500℃まで上がります。

金属で出来たハンダを溶かすわけですから、これくらいの温度は必要なんですね。

また、太め電線を溶接しようとすると50~60Wのはんだごてが必要と言われていますので、700~800℃の熱量が必要ということになります。

つまり、つなぎたい対象物が大きいと表面積も大きくなるので、放熱しやすく(冷めやすく)はんだが溶解しないため、ワット数が適正なはんだごてを使用しないと作業が出来ないというわけです。

しかし、何本も持つのは難ですよね。

私は2本しか持っていません。

1本はスキーワックスのリペアアイロンで、大昔にそれ用に使っていたものですが、はんだごてと変わらないので1本に数えていますww

舳先が大きくへら状になっているので、古いはんだの除去や大きめのものを結線するときに使いますが、普段は倉庫に入りっぱなしです。

舳先が大きいので放熱量も多く、100W以上はあるんじゃないかと思います。

最近使ったのは、ギターのピックアップセレクターに外面シールドのブレードワイヤーを広く結線するときに 面積が広くて放熱量が大きく、はんだが馴染みくかったので、その時に使ったのが最後ですね。

というわけで、私が通常使うハンダごては、1本。

85Wのものです。

マルチにに使えるので重宝しています。

goot製PX335

加熱中のパイロットランプが点灯しています。
加熱中のパイロットランプが点灯しています。

また、このコテは、温度が高すぎると自動で電源が切れるようになっているので、常時適正温度に保ってくれる優れものです。

これから購入する方は、こういうタイプのものが良いと思います。

バイト経験が活かされている

実は私、20歳くらいの時に大手の家電メーカーの工場で、電子基板のはんだ付けの流れ作業のアルバイトを1年位やっていたんです。

朝から夕方まではんだ付け三昧の毎日ですから、はんだ工作が上手くなるに決まってますよね。

その頃使っていたはんだごては、おそらく30Wくらいのものだったと思います。

当時は、先ほどの適温調節の機能なんてついていませんでしたから、コテ台に付いている水分を含んだ不燃スポンジに「ジュッ、ジュッ」とコテをあてて洗浄しながら、温度を下げ、はんだの溶解点に近づけていくんです。

温度が高すぎると内包しているヤニが焦げて、逆にはんだが定着しなくなるからです。

温度なんて見ただけではわからないんですけど、そんなに難しいわけではなくて、ジュッ、ジュッ、とスポンジにコテ先を擦り付けて洗浄した後に、コテを接合部にあててみると、はんだの溶け具合ですぐに判断できるんです。

まずは、はんだコテは、温度が高すぎても部品にダメージを与えるということに気付くことですね。

こういうことをバイトを始めたばかりの頃は知らなかったので、私が作った電化製品の仕上がりはあまりよくなかったのではないかと思いますwww

はんだ溶接の良い仕上がりのコツ

はんだは表面がツルツルピカピカになるまで、溶け始めているはんだからコテを離しません。

これは見ばえの話ではなくて、線材にしっかりはんだが浸み込んだ状態は、全体に熱が行き渡ってピカピカに輝くからです。

断線の原因の中には、はんだ結線をした箇所であることが多いです。

このため、線材に浸み込むように結線すれば、断線の心配が少なくなります。

接点の溶接状態を見極める一つのコツですね。

現在使っているコテは、温度センサーが付いているので、スポンジの水で温度を下げる必要はありませんが、センサーが無いコテは スポンジに「ジュッ」とあててます。

これは癖もあるかもしれませんが、コテ先の不純物を洗浄して、新しいはんだの載りが良くなるようにしているのです(後述)

はんだ作業で知っておいた方が良いこと

はんだ作業で忘れないでほしいのは、溶接時の線材の固定です。

溶接しようとしている目の前で接点が動いてしまっては、まともな作業が出来ません。

私の場合は、細かい作業ではマスキングテープで仮止めをしますが、工作用クリップを使うことが多いです。

部品をガッツリ固定してくれます。
部品をガッツリ固定してくれます

これのおかげで作業効率が上がります。

洗濯ばさみでも代用は出来るかもしれませんが、間口が小さいのと噛む力が弱いので用途に合わせて使い分けると良いかもしれません。

付けすぎてしまったハンダの処理と付け替え

はんだの付け替えなどの時に使うのが「はんだ吸取線」

昔ながらのはんだ除去の定番です。
昔ながらのはんだ除去の定番です。

はんだ吸取線は、熱の伝導率が良い銅線の網です。

ノイズシールドのように編んで出来ています。

これを必要なくなったはんだ面にあてて、熱を加えて剥がすと、吸取線側にはんだが浸み込んで除去できるというものです。

昔ながらのはんだ除去の定番です。

先ほどのバイト時代の作業でもこれを使っていました。CP-1515

もう一つが「はんだ除去ポンプ」、「はんだ吸い取り器」とも言います。。

はんだ除去ポンプ
はんだ除去ポンプ

注射器の逆作用みたいな構造なのですが、コイルスプリングを押し下げた状態で溶けているはんだに近づけて、ボタンを押すと、ストンとポンプが元に戻ってはんだを吸収するんです。

初めて使ったときは、これは便利だと思いましたが、今では先端が溶けてしまって使わなくなりました。

100円ショップでも売ってますよ。

《重要》ハンダがなかなか溶けない時

ハンダが溶けないのは コテの出力が低いから とか ハンダが古いから ではなく コテ先が酸化(真っ黒)してるため 熱がハンダに適正に伝わらない等が原因です

そのまま作業を続けて コテをゴシゴシ擦り付けても良い結果になりません

紙ヤスリ等で ボコボコの表面が平滑するまで しっかり磨きましょう

このメンテをした後 ハンダをつけると すぐ溶けるようになるので 違いに驚くかもしれません

これは地味なメンテですが とても重要で 溶けない事でハンダ作業にイライラする人のコテ先を見ると 真っ黒になってるのが殆どです

先日、プロのはんだ付けの技を観て感動したこと

先日、YouTubeだったかBS放送だったか忘れたのですが、プロがキャノンコネクター(XLR)への結線はんだ付けをやっている動画を偶然私は観たのです。

キャノンコネクター(XLR)は、三又の接点があるのですが、これに取り付ける3本の線材は、結線後の長さが同じでないと、引っ張った時に短いところに負荷がかかってしまい、断線をしやすくなるんです。

このため、3本が同じ長さでキャノン(XLR)の3本足それぞれに溶接されなければならない…

これをプロの方は、素早く、あっさり やってのけるのです。

はんだごてのコテ先の研磨や温度管理もばっちりなんでしょう…

何本シールドケーブルを作ってもミスなし。

はんだ作業の経験者の私からすれば、あれはまさに神業(神技)!

マチャペロ
マチャペロ

プロの技ってすごいなぁ~と、

テレビ画面に食い入るように観ちゃいましたよ。

はんだ付けでこんな風に感じる私はどこかおかしいのでしょうかねぇ?

匠の技って子供のころからあこがれているのです。

使用するはんだについて(ケスター44は何が優れているのか?)

ここまで、はんだ付けの技術手法のようなことをお話ししましたが、エレキは音楽楽器ですから、その配線作業に使うはんだの材質も考えなければいけませんね。

私は、ギター・ベース接続のシールド線にモガミ製のマイクコードを使っていますが、その音の良さは、芯線の金属が音の電気信号を忠実に伝達しているからです。

そう考えると、使用するはんだもある程度は選定する必要があるということになりますね。

ギター配線用のはんだで有名なのは「KESTER44

通販サイトでは、1mで300円近くします。

サウンドハウス/FERNANDES ( フェルナンデス ) / KESTER 44 1.5m

使ってみて良かった面は、音の印象以前に、よく溶けて作業がしやすかったこと。

単価が割高なのに、音が良くなったという印象は特にありませんでした。

ケスター44は、公表ベースだと錫(すず)が60% 鉛が40%ということですが、ほんとに電導性の良い銀とか入ってないんですかねぇ?

通常、私がエレキギター・ベースの配線溶接に使っているはんだは、ホームセンターでも売っている音響AV機器用のものです。

ボリュームペダルに自作のプリアンプを内蔵した時に初めて使ったものです。

音響AV機器用はんだ
音響AV機器用はんだ

錫62%、銀2%、鉛36%のもので、太さはΦ1.0mm、何メートルか測ったことはないのですが何年か使っています。

電導率が高い「銀」が入っており、公表スペック的にはケスター44よりも優れていることになります。

電気伝導率は、銀>錫>鉛です。

HEXSOL」というブランド名が書いてあります。

難解な漢字の品質表示が書いてあるので中国製のようです。

どうしてこれを使っているのかと聞かれれば、「電導率がよい銀が入っているから。」「音響AV機器用だから。」ただそれだけです。

体感上の音質で明確に判断しているわけではありません。

つまり、はんだの品質は大事だと思うけれども、周りが「KETER44」が良いと言うからということで、これが良いと思い込む必要はないんじゃないかと思うのです。

さて、今回はこれでおしまい。

まとめ

コンデンサ(キャパシタ)やボリューム(ポット)等の電子部品は、過度な高熱に弱いです。

温度が高すぎると内包しているヤニが焦げて、逆にはんだが定着しなくなる。

はんだは表面がツルツルピカピカになるまで、溶け始めているはんだからコテを離さない

線材にしっかりはんだが浸み込んだ状態は、全体に熱が行き渡ってピカピカに輝く

線材に浸み込むように結線すれば、断線の心配が少なくなる。

黒く酸化したコテ先では ハンダが溶けなくなる

コテ先を磨くメンテナンスを怠らないこと。

コツがわかったから、わたしもやってみようかな?

色々なDIYに役に立ちそうだから

僕もチャレンジしてみよ~ッと!

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