~DIYで音痩せ対策/自作プリアンプ(クリーンブースター/ラインドライバー)をボリュームペダルに内蔵し音質調整が可能に~
※最近、パッシブブースター という 少々矛盾した呼び方がありますが、それに当てはまるかもしれません…。
ここでも、はんだごての準備が必要です。
はんだ付けに不馴れな人は、 別ページの「ギター・ベース配線のはんだ付けのコツ」もあわせて参照してください。
また、後にFET等の仕様変更もしていますので そのバージョン記事も参照してみてください。
《要点シリーズ》第2章『オリジナルの音作りとDIY』②音痩せしない仕組み作り
折角ギターが良い音を出しているのに、ボリュームペダルやシールドケーブルの長さによって、音質の減衰現象が起こります。
特にボリュームペダルをギター側にかませて、歪み調整しているセッティングの人には、とても大きな課題です。
そこで私は、プリアンプ(ラインドライバー)を自作して対策しています。
「女の子なんでハンダづけなんてやらな~い。」
と言う人は多いかもしれないけど、電子工場では女性のはんだ工がたくさん活躍してるよね。
おーっ、いいぞいいぞ!
自分の音を作るって楽しいだろ?
プリアンプ(ラインドライバー)の自作について
これは、有名なguncontrolさんのブログ<ぴゅあ☆ぴゅあ1949>で詳しく公開している「自作1石プリアンプ(1)」(リンク先を必ず参照してください)を基にかなりの改良を加えています。
半田ゴテと電子パーツを取り寄せれば、皆さんも自作できると思います。
私が加えた改良は、guncontrolさんの公開版の設計をもとに、ダイオードで電流の再整流化と突入電流防止抵抗、電源リップルノイズ対策用のコンデンサ増設、入力インピーダンス抵抗に670kΩを施し、主に電源系統を設計変更して製作しました。
また、ハイカットは13.25khz、ローカットは72.3hzに設定しました。
(後段「ボリュームペダルへの内蔵について」で記述あり)
※入力直下に入力インピーダンスを決める抵抗が直列で670kΩ分設けていますが、調節しながら増設したためです…。
ルビコンのPPS(ポリフェニレンサルファイドフィルムコンデンサ)とTDOの抵抗は、透明感があってとてもいい音しますよ。
もうこのパーツしか使いたくないと思うくらいです。
色々試して出した結論です。
TDOの抵抗は、店舗販売をやっておらず、通販もないので、本社に振り込んで送ってもらいました。(当時)
その他のパーツは、秋葉原のパーツショップの通販で買えるので、1,500円くらいで賄えるかな。
この写真はベース用にコンデンサーの値も変更した試作品。
また、設計にあるハイカットコンデンサとローカットコンデンサーの値(値の選定表も上記ブログに掲載されています。)を変えて、音域レンジを拡げています。
この回路は6dbのブーストをしていますが、outputのインピーダンスは100kΩ程度あるので 最近流行りの言い方だと パッシブブースター ということになりますかね…。
この写真は、星マークのコンデンサーを再度変更して、ベース用の仕様が完成したところ。
このような、音が通過する回路では、電源から来るノイズ(関東では50Hz)のブーというリップルノイズの音が天敵となります。
私は先の回路基板上で対策部品を増強していますが、そもそもAC→DC変換アダプターのノイズ対策が、ちゃんとされていれば大丈夫なのです。
そこでお薦めなのは、プロビデンスのACアダプター(バッテリーエミュレータ9.6)です。ピタッとノイズが消えますよ。
ボリュームペダルへの内蔵について
私は、前項で作成したプリアンプ(ラインドライバー)をフェンダークラシックのボリュームペダルに内蔵しています。
電源ノイズ対策のため、ダイオードと逆流防止抵抗、電解コンデンサーの容量などを増強している。
画像右上)チューナー接続用の穴を拡げて9V電源用のメスジャックを取り付けでいる。
画像下部)改良の仕様表示ラベル。
オールド感を出すためにワザと擦れ文字になってました。
これ、楽器店の店頭に偶然中古で出ていて即決で買ったんです。箱まで付いていて、とてもコンデションが良かった。
昔は ボリュームペダルを使う人は少なかったけど、今はペダルボードに組み込むのが普通になったので、ネットにもずいぶん出てますね。
筐体の加工箇所は1つで、チューナー接続用の穴を拡げて9V電源用のメスジャックを取り付けただけです。
あとは、信号の流れに沿って基板とボリューム回路とを接続コードで、何か所かハンダ付けするだけです。
これにより、歪みとクリアの調整が足元で容易に出きるので、幅広いサウンド対応が出きるようになりました。
今回公開した改良版の配線設計図は、初公開ですので、皆さんのお役に立つことを願っています。
《 補 足 》
(R3.4.8更新)基板のinputとoutputの接続順をボリュームの後にして歪みのかかり具合の強弱を明確にしました。
ボリュームペダルによる歪み調整に合わせて、オールドギブソンの配線(ギブソン50sスタイルワイヤリング)にも施しています。関連記事はこちら↓
【まとめ】
ボリュームペダルやシールドケーブルの長さによっては、ハイ落ちや音痩せが問題になります。
ここでは、プリアンプ(ラインドライバー)を自作してボリュームペダルへ内蔵することで改善した例を紹介しました。
自分で設計できるようになったらいいな~。
秋葉原も行ってみたい。
ゼロからの設計じゃなくて、私は公開されているものをベースにしているよ。
自作エフェクターの本も色々出てるよね。
《要点シリーズについて》
通勤・通学の移動時間に、ボリュームのある記事に遭遇すると「この話は、つまりどういうことなの?簡潔に教えてくれないかなぁ!」と思うことが多々あります。
このため、このページは出来るだけ短く、大事な要点だけをまとめてあります。
要点シリーズになっているので、前後ページへのシフトやメニューを使って、毎日1ページづつ読んでいけば、自分で行うメンテナンスはバッチリです!