~スピーカーキャビネット(ベース用)の修繕/スピーカーエッジの軟化処理/スピーカーエッジから破断したコーン紙を障子紙で接合~
ベーシストのジュンヨシハラが アンペグの中古キャビネット四発(SVT-410HLF)を廉価で手に入れました
AMPEG ( アンペグ ) / SVT-410HLF ベース用キャビネットところが リハの途中からビリビリノイズが出はじめて 養生テープを貼ってやり過ごしたとの事
今回は その修繕記録です
修繕方法の検討
ノイズ原因を探すと スピーカーエッジとコーン紙の貼付け部分でコーン紙側が切れたことによるものでした
このため 修繕方法は タイトボンドと墨汁と水を混合した接着液で 障子紙を裏から貼付けて エッジとコーンを接合することにしました
また コーン紙が切れたもう一つの原因は エッジの動きが悪い事が考えられるため エッジの軟化も行うことにしました。
修繕開始
4発のスピーカー取外し
右上スピーカーは 前掲画像のように 外部から見て コーン紙が切れているのを既に確認できたものです
左上スピーカーは 外してビックリ! 裏面を見ると亀裂が全面に入っていました
下段の2発の状態はどうでしょう…取り外します
両方ともコーンやエッジの異状はありませんでした(エッジの軟化は必要ですね)
端子を抜く前に配線図を描く
直列と並列を変えると 合成インピーダンス(Ω)が変わってしまうので とりあえず元の配線をメモしときました
ケーブルにタグを付けておくと 組み立て時に楽です
スピーカーが無いと ただの抜け殻ですね…
裏貼り紙の型を切る
エッジとコーンのジョイントは 裏から障子紙を使うことにしました
和紙の一種なので 重ね貼りすると 接着剤の粘度も併せて かなり丈夫だと思います
貼り付け方をイメージする
糊を塗る際の刷毛の入れ方や 紙の貼り付け手順をイメージしておくと 失敗を最小限にできますね
糊の調合(タイトボンド+墨汁+水)
接着のりは タイトボンドと墨汁と水の混合液を使いました
配分は 1:0.3:1 のイメージを持っていますが 濃いと障子紙が吸収しにくくなるので 指で触ると少しベタつく感じになるように 混ぜながら調整します
貼り付け開始
一気に貼り付けていきます
続いて2枚目
乾燥したら 次にエッジの軟化処理を行います
エッジの軟化処理
エッジの軟化剤は ブレーキフールド(dot4)を使いました
コーン紙に液体が付かないように 4発のスピーカーエッジに塗布していきます
軟化剤の塗布は 表に2回 裏面に1回を予定していましたが 裏はフレームがあって 筆が十分に入らないので 表面に2回で終わらせました
エッジが柔らかくなりました
これで 今後 コーン紙への負荷が軽減出来れば良いのですが…
組み込み
ここで ミスを犯しました…
軟化剤の浸み込みが終わった後の 余分な液体をティッシュで吸収したつもりが 左下のスピーカーでコーン紙に流れてしまいシミを作ってしまいました…ショックです
ジュンヨシハラに説明をして許してもらいました
コーン紙に墨汁を塗布すれば目立たなくなり カーボンの付着で 音の変化を楽しむ人もいるようですが その必要は無いとのことでした…ゴメンナサイ
作業終了
最後の最後で キャビネットの景観に影響を与えるミスを犯してしまいましたが スピーカーシステムの延命という点では 全体としてよく出来たと思います
その他の修理
スピーカーネットのフレーム
スピーカーネットのフレームが折れてるので タイトボンドで接着
ネットの張りがキツイのでジョイント金具で補強
まとめ
①エッジとコーンが破断
裏から障子紙をタイトボンドと墨汁と水の混合液で貼付け(重ね貼り)
②エッジの軟化(2回塗り)
③スピーカーネットのフレームが折れてるので タイトボンドで接着 ネットの張りがキツイのでジョイント金具で補強
※ この記事に関連した ツイーターコントローラーのヒューズ交換 の記事も投稿しましたのでご参照ください