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ハウスメンテナンス

DIYで音漏れ対策/吸音 遮音 密閉 制振を全て行う

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~DIYで音響ライブルームの音漏れ対策/吸音 遮音 密閉 制振がキーワード /音の反射 分散 弱音化をいかに実現するか?~

音漏れ対策の検討には 次のキ-ワードを念頭に置くことが重要です。

一般家屋の後付けでは 音源側から見て「吸音(分散・弱音化)」「遮音(反射)」「密閉」「制振」の順番になってしまいますが これらを全て行うのが理想です。

それを踏まえて 前回 最も脆弱な窓周りの補強を行い 雨戸に制振遮音剤を塗布したデッドニングや カーテンライナーを付けて効果を得ることができました

マチャペロ
マチャペロ

制振遮音剤は車の実績で知ってたけど カーテンライナーの効果には驚きました…。

今回は その次に行った遮音シートと吸音材・吸音ボードを使った工程の記録です。

まずは材料の調達

遮音シート

課題の部屋は6畳間で 遮音シートを貼り付ける箇所の寸法図面を描くと 940㎜×24mが必要なので1本10mの 大建工業 遮音シート940SS GB03053 を3本注文

ガンタッカー(ステープルガン)

我が家の場合 タッカーの使用は画鋲の穴跡と大差ないのでOKにしました。

重さのある遮音シートの貼り付けはタッカーがよろしいですね。

使用目的が決まっているので 選定は大きいタマが1000個付属しているものにしました。

ドアについても 我が家はタッカーを使いましたが それが出来ない場合は 養生テープマスキングテープを貼ってから強力両面テープで貼り付ける等の工夫が必要ですね…。

吸音材

吸音材は 音の 反射→増幅 を考えると 天井への貼付けも必要ですが 落下が課題なのでT型虫ピンを使ってみようと考えました。(後述)

しかし当初の考えでは 天井裏にはグラスウールが敷かれてるので施工の優先度は下げ 概要設計の当初見積では105枚必要としました。(実行予算では162枚)

25×25か30×30の24枚入りでウレタン製の密度25㎏/㎥以上の物を探しました。

形状はウエッジ型とピラミッド型がありますが ウエッジ型は互い違いに貼って効果を上げるタイプなので 小面積部分のことを考えてピラミッド型を選定しました。

その結果、ベストではないですが コストも考えて 評判がマアマアなYOPINにしました。

※水で再生後 とても乾きにくかったので ウレタンスポンジの何種類かの構造の中でも 吸音材に適した製法で作ってるのではないかと思います(後述)

プロユースの物を検討している場合は サウンドハウスからたくさん出ています

サウンドハウス/吸音材

両面テープ 等

付属の両面テープは かなり強力に感じますが 数日で剥離してきます。遮音シートにはペッタリ接着しますが 吸音材のスポンジは接着しにくいですよね。

そこで ウレタンフォーム用の日東電工 No.501L を別途購入しました。

もしこれでも剥離する場合は 接着面の材質に合わせ グルーガンや接着剤による貼り付けか T型虫ピンを使います (上記の’501L’で剥がれたことありません)

プロユースのマジックテープや接着剤は サウンドハウスから出ています

サウンドハウス/吸音材接着

作業開始

遮音シートの貼り付け

遮音シートは 10メートルの1ロールが約20㎏あるんで力仕事になります。

遮音シートロール
重たいです…。

左右の高さ調整など 重たいシートの位置決めには2人でやらないと厳しいです。

脚立を使ってシート貼り
縦のラインと横のラインに微妙にズレがあったりします…。
タッカー打ち込み
タッカーを使ってバンバン作業を進めます

壁紙などの場合は 電源穴に生地を折り込むのですが 遮音シートは厚みがあって 折りが浮き気味になるので 切り抜きで対応しました…。

貼り付け作業にコツコツ2日かけて 最後は最難関のドアノブの穴位置合わせ。

放射状に切り込みを入れると 微妙な位置修正が出来ます。

ドアノブ合わせ
最難関のドアノブ合わせ

ドアを外して作業すると シート全体の位置合わせもやり易いです。

カッターでバリ切除
カッターでバリ落とし

補足ですが ドアの気密性を高めるため ヒンジ(蝶番)の調整角度をさらに増やす(ワッシャーを噛ませる)改良も行いました。

ヒンジの改良
ヒンジの改良

さあ!ようやく遮音シート工程の終了です。

シートが黒いので部屋が暗くなりますが 窓は雨戸の制振遮音剤加工やカーテンの3重化で開閉可能にしてあるので採光や換気はOKです。

窓の開閉OK
窓の開閉もOK
ドアへの貼り付け完了
ドアが重たくなって実感が湧いてきた…

しばらくして部屋に遊びに行ったら テスト稼働でこんな感じになってました…(笑)

ミラーボール
ミラーボールくるくる…

遮音シートだけでは 室内に反射して溜まった音エネルギーが 逃げ場を探して 梁などを伝たい 狭い廊下をホールリバーブのように響かせています…。

屋外で聴くと 制振遮音剤を塗布した窓からの音が最も小さく 遮音シートを貼った壁からの直接音も鈍くはなりましたが 今度は1・2階の間付近からの音漏れを感じるようになりました(床を伝った音逃げ?)

そこで 5.64m余ったシートを床に敷いて ラグカーペットで覆いました。

さらに出来るだけ早く 吸音材を組み合わせて 弱音化→反射→再弱音化→再反射↩ のループで音のエネルギーを減衰させるメカニズムを実践をする必要があります。

吸音材の貼り付け

吸音材は 当初は120枚調達しましたが 実施段階では162枚で施工しました。

音は音源から水平方向に放射状に発散しますから 狭い部屋でも 縦に5枚(150㎝)は貼りたいという設計です。

吸音材は眞空パックのペッタンコの状態で運ばれてくるので 大きめの段ボール箱に あっさりと入ってました。

ふと思ったのですが 吸音材は高密度の物が良いのですが 高密度ならば圧縮してもこんなに薄くならないのでは…?

まあいいです(笑)… 再生作業に入ります…開封してしばらくすると元気に膨らんでくるものもあれば ペッタンコのままの物もあります

そこで全枚数にタップリの水分を含ませて再生させました…戻りの悪いものもありますが 諦めずに水の中でモミモミを繰り返すと元に戻ります。(洗濯機を使う方もいますが 私は膨らみ具合を見ながら手作業で行いました)

風呂場で大量の吸音材を再生
風呂場で大量の吸音材を再生

すべて膨らみました。しかし スポンジは この後の乾燥がたいへんです…。

吸音材の乾燥
しっかり乾燥させないと両面テープが付かない

4日経って やっと雨が上がりました… 一斉に天日干しです(強く絞ってからタオルでサンドして踏みつけ 奥の水分を吸い出し さらにドライヤーを当ててから干さないとカラッとなりませんでした)。

吸音材の天日干し
これ以外にも敷地内全部に敷き詰めました…

遮音シートの貼り付けは 力仕事でしたが この乾燥作業はイライラ仕事です。

そもそもポリウレタンのスポンジには幾つか製法があって 台所用は水分が抜けやすくしてあるのですが 吸音材は内部で音を分散させる不規則な構造が必要なので 水がなかなか抜けないのは良いことなんですよね(苦笑)

さて 待ちに待った貼り付け!

貼り付け位置は スマホのフルボリュームを壁際にかざして 反響チェックして決めましたが ほぼ教科書どおりの位置になりました…。

吸音材の貼り付け
基準線を先に決めて…曲がらないように

ウレタンフォーム用両面テープを5~6㎝ずつ四隅と真ん中の5箇所に付けて 遮音シートにペタペタ貼り付けていきます。

テープをベタに貼ってしまうと 伸縮を活用した 貼付け位置の調整が出来なくなります。

このテープは 剥がそうとするとウレタンが チギレる程 強力ですが 遮音シート側の接着度は剥がそうとすれば剥がせる程度です。

補修があったら グルーガンを使用するつもりです。

ここまでの仕上がりは こんな感じ…。

廊下側
この裏の廊下は音が反響してたんです…。

天井にも貼り付け

天井側の四隅は三面反射して音溜まりしてるんで 忘れずに貼った方が良いです。

それから 出来れば天井…T型虫ピンは長くて脱落しにくいので活用しました。

吸音材の位置
テストしながら決めた吸音材の位置

作業終了とチェック

さて 早速 屋外に出て音漏れチェック

スピーカーからのサウンド音は かなり抑えられるのですが 問題は音圧のある人の声(外部の人の意識はそこに集中する)なんです。

室内のジュンヨシハラに大声で歌ってもらいました(笑)

屋外では トーンを絞ったような モコモコの弱い音になって だいぶ聴き取りにくくなりました…隣の家は3m離れたコンクリート造なので 耳を傾けない限り 気にならないのではないかと期待しています…

発泡ウレタン注入なんかやりたいですけど… 在来工法の木造住宅で DIYによる後付け施工では このくらいが限界かな…。

さぁ~完成で~す!

秘密基地の完成
秘密基地の完成

追記(吸音ボード)

外部への音漏れ対策とは異なるので 追記で掲載します。

これまで 外部への音漏れ対策を目的に施工してきましたが 家の中の廊下では 音が反響する課題を残してました。

屋内の部屋と廊下の壁の中には ガラスウールは入ってないため ルームから抜けてしまった音が階段ホールでグルグル反響して増幅しているような状態なのです。

階段ホールの上部までは 4m近くありますから 満足する施工は困難ですが 出来る範囲の対策はしたいと考えました。

このため 廊下ドアと階段ホールの壁の一部に 吸音化粧ボードの貼り付けを追加しました。

廊下の壁紙に合う柄のコレ↓を使って 付属の細い虫ピンまたはT型虫ピン等を使って貼り付けます。

廊下から見た吸音ボード
廊下から見た吸音ボード

吸音ボードは 想像してたより硬いフェルトなので 遮音と吸音を兼ねている印象を受けます。

遮音シートと吸音材の重層的な施工が出来ない場合に採用したらよろしいと思います。

(吸音ボードの検証)

ルームから廊下や階段ホールへの音漏れは遮音、廊下や階段ホールでの反響音は吸音、そういう役割をしてくれたらイイなぁ…と期待したんですが 検証してみると階段ホールの反響音はトーンが効いたようになってます…。

kHz級の周波数に効果があるのではないでしょうか…取り付けて正解でした。

階段ホールから見た吸音ボード
階段ホールから見た吸音ボード

まとめ

吸音材は音を吸収すると言うより 複雑なスポンジ構造の内部で 音が分散を繰り返して弱音化する

遮音シートは音を遮断すると言うより 跳ね返す効果がある

どちらか一つだけでは 音の低減効果は弱いが 貼り合わせると 弱音化→反射→再弱音化→再反射→ を内部で繰り返すので 音の低減効果が上がる

振動については デッドニング(サウンドダンピング)を行う

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