~ピックアップの高さや弦の選び方/上級者は独特なセッティング。私はセイモアダンカンとエリクサー&ダダリオの組合せがお薦め~
まず弦の選び方から話を始めます。
ピックアップって歌手で言ったらマイクでしょ?
マイクで音が変わるって聞いたことがあるけど、弦なんか金属のワイヤーだからなんでも同じでしょ?
う~ん。
確かに聴き手には分かりにくいかもしれないけど、弾き手にとってはかなり違うんだよ。
弾き易さの面でも、指先や体で感じる振動の好みがあるからね。
それで出てくるフレーズに影響したりするんだ。
ふ~ん。
また難しそうだな…。
《要点シリーズ》第1章『エレキの上達はメンテナンス次第』⑧PUの高さと弦の選び方
これまでに取り上げた、テールピースの高さと音色・弦高への影響の話と今回の話は、調和する関係にあって「バランス楽器」と言われる要因になります。
さて、弦の太さについては、結論から言うと好みです。
これを言っちゃっちゃ元も子もない(江戸っ子?)のですが、
.009弦のやわらかさや音の繊細さを基準にする人
.010弦でボディーを鳴らしたい人
6弦側を太くして、サウンドに厚みを持たせたい人
などなど、様々だからです。
ただし言えるのは、どんなトーン・サウンドを目指しているのかであって、.009が柔らかいというだけでは、目標に近づきません。
ギター弦は極端に硬さが変わるので、それだけを基準にする人が多いですが、ベース弦ではトーン重視で決める人が多いように思います。
例えば、スラップ系の人はハイの出具合とかドンシャリ系のトーンを重視しますから.045から.100または、もう少しボトムが欲しい人は.105のセットを使う人が多いようですね。
逆に太くする選択をするわけです。
弦の選定には、決して弾き易さだけで決めていないところが、ベーシストの方が正解のように感じます。
弦の選び方の参考例
さて、弦選びの参考例ですが、セット弦は割安で、最近は組み合わせの種類も増えてきたので、とても良くなったと思います。
しかしここでは、あえてバラ弦とピックアップの高さの例に触れたいと思います。
ギター弦の場合は、プレーン減の錆びの問題や、ボディーの響きも関係するので、セミアコにおける例を題材にします。
私のセミアコでは、ボディーを鳴らしたいので、0.010(以下、10と言います。)、13、17、30、42、52 を張っています。
弦を選ぶときは、プロの方でない限り、錆びにくくて長持ちすることも考える必要がありますよね。
私の場合は、1~3弦のプレーンは錆に強いElixir(エリクサー)、4~6弦はダダリオ製にしています。
サウンドハウス/ELIXIR Plain Steel Single Strings バラ弦一覧 サウンドハウス/DADDARIO / Single XL Nickel Wound バラ弦一覧エリクサーについては言わずとも私のニーズである錆対策です。
ではもう一方の、ダダリオは何故なのかというと、明るい音のアーニーボールも使っているのですが、チューニングの安定性がダダリオが良いからです。
特にハーモニクスを出すと、ダダリオ製だとチューナーが安定した値の表示を返してきます。
アーニーボールは嫌いではないのですが、その点チューニングメーターが揺らいでしまうことがあるんです。
《R3.7.7更新》コロナ禍でElixirのバラ弦の輸入が止まってしまったため、同じ太さの3セットパックのDADDARIO/EXL140-3D XL Multi-Packsに見直ししました。
サウンドハウス/ DADDARIO ( ダダリオ ) EXL140-3D XL Nickel Multi-Packs Light Top/Heavy Bottom《R4.6.21更新》10-52のサイズで最も安い物を探していたら ERNIE BALL / Skinny Top Heavy Bottom ツインパックセットを見つけました。ラウンドの粒かダダリオより細かいので キュッキュ音がしますが 現在はこれを使ってます
サウンドハウス/ERNIE BALL Skinny Top Heavy Bottom ツインパックセットアマゾン/ ERNIE BALL / Skinny Top Heavy Bottom
ピックアップの高さと音の輪郭
PUは、セイモアダンカンSH-1bとSH-2nを使っています。
SH1-bは配線が2芯シングルのものを使っていますが、SH2-nの方はその後の改良も考えて4芯コンダクターにしています。
サウンドハウス/SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SH-1b 59 Bridge Nickel サウンドハウス/SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SH-2n Jazz Neck Nickel弦のパワーとピックアップの高さの関係というのは、たくさん弾いてサウンドチェックする必要があるので、結論を出すまでに長い時間をかける訳です。
私も今でも迷走しています。
特にセミアコは、天候によって鳴りが変化するので、定点比較が難しい。
そこでPU高とのバランスも考慮に入れて、改善の期待をするわけです。
PU高は最終フレットで押弦した状態で弦下とPUとの距離を測ります。
エスカッションを逆向きに付けて、弦との距離を均等にしています
私のセミアコのPU高は、ネック側の1弦で2mm、6弦で3mm。
ブリッジ側は、2mmと2.5mmです。
この値を基本にプラスマイナスの調整をすればよろしいと思います。
また、ポールピースについては 別ページで記事にしていますので 一読してみて下さい。
この場合の弦は、私の場合は 6弦に0.052インチの太い弦を使ってます。
ベース弦の域に入っていますね。
それが狙いなのです。
アンサンブルを考えると、楽器ごとの周波数帯域は被らない方が良いのですが、私の場合は、ベースとシンクロした部分をあえて作ることで、一体感を狙っています。
ギター単体で考えても、セミアコという箱物楽器の場合は、トーン・サウンドに広いレンジが欲しくなるのです。
そこで、6弦をとても太くしている関係上、PUは離れぎみにして、ボアつきを無くしつつ、その低音はしっかり主張させるという策を選択しているのです。
一般的に弦とPUは近い方がパワーが出て良い、と考えている人もいるかと思いますが、離した方が音の輪郭が出て聞こえやすいこともあります。
私のセミアコでは、ネック側にセイモアダンカンのSH‐2nを付けていますが、ハイ寄りと言われていて、最近ではネック側PUと言えば、ボディーがソリットでもホローでもSH‐2nが定番になっているようですが、高域特性がある分、6弦とPUを少し離し気味にした方が輪郭がハッキリ聞こえます。
その分、太いボトム弦を使うことが可能になっているわけです。
また、ネック&ブリッジのハーフトーンをクランチで多用するため、ネック側1弦のPU高を高くして、気持ちの良いドンシャリが出るようにバランスをとっているのです。
ここで取り上げたのは、あくまでも例ですから、皆さんも長い時間悩むことがあるかと思いますが、近道にはなったのではないでしょうか。
そのことを願っています。
【まとめ】
ピックアップの高さ調整をしてますか?
フロントとリアのバランスが悪いと、ハーフトーンやクランチサウンドの音色に大きく影響します。
また、自分に合った弦の太さを選ばないと弾き方や自分の音が決まらずギターは上達しませんよ。
自分で試してみないと分からないことばかりだけど、今回の話は、音の発生源の話だからよく覚えておかないとね!
それと、弦の高さをハッキリ教えてくれたのは初めてです!
みんな苦労して決めた数値は教えないよね。
ギターの個体やフレットの高さの違いがあるから、絶対ではないけど、ほぼ共通して使える値を示したつもりだよ。
《要点シリーズについて》
通勤・通学の移動時間に、ボリュームのある記事に遭遇すると「この話は、つまりどういうことなの?簡潔に教えてくれないかなぁ!」と思うことが多々あります。
このため、このページは出来るだけ短く、大事な要点だけをまとめてあります。
要点シリーズになっているので、前後ページへのシフトやメニューを使って、毎日1ページづつ読んでいけば、自分で行うメンテナンスはバッチリです!