~スケールが先か?フレーズが先か?/スケールは楽器との対話ツール/楽器と対話するための文法/フレーズを補う道具にすぎない~
フレーズ・スケール・アドリブは、それぞれ密接に関係していますので、次のページも是非参照してください。
ひたすらコピーだけを繰り返す とか スケールだけを覚えて弾き鳴らすというような いわゆる偏りに陥ると、スケールが先か?フレーズが先か?なんて話も出てきます…。
そこで、別の掲載記事「アドリブフレーズのコツ探しについて」の補足としてコレを書きました。
スケールは楽器との対話ツール
「スケールが先か?フレーズが先か? 」ということがたびたび議論されるようですが、先ず、楽器がどのように奏でてくれるのかをいつも楽器と対話しておく必要があるのではないでしょうか…。
スケールは、その対話の「文法」として理解すれば 話が分かりやすいかと思います。
つまり、私はメロディやフレーズのイメージが沸いた時、 それを奏でるにはスケールは便利な「道具」だと思っているのです…。
練習というのは、指の反復運動ではなくて、楽器との対話という意味で捉えた方がよろしいと思っています。
…ということは、思考の順序はフレーズが先ということになりますかね…。(笑)
スケールを覚えて ただ弾いただけでは メロディーフレーズにならないですからね…。
《参考》スケールポジションの確認で 私は a-ki’s factory のギタースケール辞典 を時々使っています。
スケールの話で挫折しないために
先日、コンテストで数々の受賞をしているギタリストの方とスケールの捉え方についてSNSでやり取りする機会がありました。
スケールを覚える時に、まずやりがちなのは、一つ一つをバラバラに訓練している人が多いけど、それは如何なものか…という話でした。
私の場合も、スケールを分割されたポジションからではなくて、ネック全体のポジションで身に付けていって、全体をレイヤーのようにずらすことで、結果としてドリアンとかエオリアンとか何種類ものスケール名称になるんだなぁっていう感じだったので、その話はよく理解できました。
そのギタリストも同じ考え方で、教室では、そのようなスケールアプローチで行っているそうです。
このように、理論上は別物かもしれないけど、指板上のポジションは ほぼ重なるというものが数多くあるので、全てのスケールや名称をどうしても覚える必要はないと思っています。
つまり、ギターが元々持っているスケールをレイヤーのようにズラすことが常に出来るようにしておけば事は足りるのです。
それ以外のものは、次の記事↓で検討してたように コンデミやオルタードをぶっ込むことが出来れば良いということになるわけです。
「弾きすぎないこと」とは
米国のスタジオギタリストは「アドリブでは弾き過ぎないように奏でる」とスティーブカーンが昔 雑誌のインタビューで語っていました。
特にニューヨーク系はシティ感覚を出すためにそれが顕著ですね。
コーネルデュプリーも stuff 時代を通じて、手数を少なくして その分 口ずさんだメロディーを強調して奏でるソウルギタリストなんだと思います。
たしかに、相手に感情を伝えるときに、ペラペラ早口でしゃべると何を言ってるのか印象に残らないですよね…。
また、ラリーカールトンは、自分は早弾きが出来ないから ロングトーンを大事にしている とインタビューで語っていました。
しかし、実際はフォープレイ在籍時のライブでは、アドリブで速いパッセージを弾いてました。
出来ないのではなく、成功したソロイストのアドリブの特徴は、手数に頼らず、弾きすぎないこと、それが、印象的なフレーズにつながる秘訣なんだなぁ…と思いました。
また先日、プロミュージシャンがTwitterで言ってた事の中に「プロとアマチュアの根本的な違いは、自分の音に対する責任だと思う…。」という一コマがありました。
つまり、一音一音を責任を持って出しているか? という事…。
成功者が言う 重みのある言葉ですね…。
スケールを覚えると手癖が増える?
スケールを覚えると 音の選択肢が増えるのですが、フレーズのイメージが浮かんでいないまま 同じスケール音を次々と弾き並べてしまう傾向があります。
こういう状態に陥ると、手癖が付いてしまって、結果として退屈なフレーズを繰り返すことになってしまいます。
その解決方法は、プロの方も常に考えているそうですが、よく聞くのは次の方法です…。
①スケールに頼らずフレーズをイメージする
②複数のスケールモードを組み合わせる
③同一弦のスライドを活用する
④その他
特に③は最も取り組みやすい方法だと思います。
同じ弦の上でスライドしてみる
最後に、メロディアスな即興をしたい時の私なりのコツを紹介します。
それは、いま出している音に繋げる音は、隣の弦を探りながら出すより 同一の弦の上でスライドさせて奏でた方が 聴き手にはナチュラルに感じるということです。
不協音を出さない秘訣にもなります。
ジャコ パストリアスは、生前のインタビューでそのように答えているし、ラリー カールトンのアドリブを観ても 伸びやかさと音の選び方の両面を持った奏法なのだなぁ…と 気が付いたわけです…。
これは私が最も大事にしている弾き方なのです。
アドリブにチャレンジしている方は、是非そんな事から試してみて下さい。
徐々に 自分のスタイル(〇〇らしさ)のようなものが 積みあがってくるのではないでしょうか…。
まとめ
このページは、別の掲載記事「アドリブフレーズのコツ探しについて」の補足として書きました。
ひたすらコピーだけを繰り返すのみ とか スケールだけを覚えて音を並べて弾き鳴らすだけ という偏りに陥ってしまうと なかなか自分のインプロビゼーションに到達しない場合もあります。
そうならないように 私自身 思考に試行を重ねて行こうと思います…。