~DIYの本当の意味を知ってますか?Do it yourselfはロンドンの戦後復興のスローガンで日曜大工の意味ではない!~
DIYとは「Do it yourself」の略語ですが、直訳すれば「自分自身で行う」ということになりますね。
しかし、欧米の人たちの感覚では、「やってみよう!」と訳した方が、その趣旨に近いのだそうです。
そこには…。
素人だけれどもチャレンジしてみよう!
自分でできることは自分でやろう!
~という考え方があるそうで、
おそらくボランティア精神にもつながるところがあるのではないでしょうか?
また、
他人任せにしない!
~という考え方も含まれているのだそうです。
楽器は自分の感情表現の手段~自らメンテナンスするのは当然
私の場合は、ギター・ベースのメンテナンスは、可能な限り楽器屋さん任せにしたくはないのです。
なぜなら、楽器を弾くのは私で、言葉にしにくい弾いた時の感覚や感触を職人さんにどう伝えるかで仕上がりが左右されてしまうわけで、それがとても非効率で危険にすら感じるからです。
自分の感情を楽器という手段で表現する以上、その手段を自ら仕上げるのは当然なことだと思うのです。
もちろん、専門道具や設備・材料などの物理的な限界はありますけどね…。
様々な分野に共通するDIYの精神
このようにDIYを元々の趣旨を踏まえて幅広い視野で考えると、ホームセンター通いや手先が器用だとかのレベルの話ではなくて、
「やってみよう!」
「素人だけどもチャレンジしてみよう!」
「他人任せにしない。」
という考え方は、様々な分野に共通して活かされていることなのではないでしょうか?
DIYの本当の意味
最近、様々なネット記事を観ていて知ったのですが、第二次世界大戦でナチス・ドイツの攻撃を受けたロンドンで、そこの住民たちが、
「Do it yourself!」
をスローガンにして街の復興に協力し合ったことがDIYのはじまりなのだそうです。
そういえば、NHKのBSでBBC放送のドラマを以前やっていて、たしかそのようなシーンが出てきたのを覚えています。
そして当時、雑誌まで刊行されたことから、ヨーロッパ、アメリカなどに拡大したらしいのです。
物事が拡散していくと、いつしか流行化していくものです。
そうなると、元来の趣旨からかけ離れて
「余暇」
「趣味」
「日曜大工」
とかの「楽しみ」「娯楽」という意味に変化してしまった…。
一旦こうなってしまうとステレオタイプになってしまって、言葉の意味は元に戻ることはありません。
日本でも数々の大災害の直後に復興ボランティアが
「自分でできることがあるんじゃないか。」
という思いで集まって立派な活躍をしていますが、この精神は語源でいうところのDIYです。
ちなみにインディーズレーベルもDIYにあたりますね…。
しかし、日本国内でこれをDIYと言ってしまうと、きっと不愉快に感じられるでしょうね…。
別の投稿で紹介したタンザニアのザンジバル(フレディマーキュリーが生まれた島)に、私は仕事の関係で2か月間派遣で居たことがあるのですが、ザンジバルの人は、車の整備士教育を受けていなくても、重要な駆動系の部品をドバイ経由で取り寄せて、自分で修理しちゃうんです。
wiki/File:Maasai_Man_in_Zanzibar.jpg?uselang=ja,
author:Amri Dadi(no information)
有名なスパイスの栽培農家は、石積に石灰質の土を練りこんで、2LDK程度の住居を自分で作っています。
彼らにはDIYという趣味的な言葉はなく、私がそれまで考えていたDIYの領域を遥かに超えていたのです。
DIYは、彼らにとって生き抜くための必然なのです。
DIYをブログのテーマにすると限界があって難しい?
私は、このブログを始める時、メインテーマを「DIY」に設定しました。
そしてサブテーマに「メンテナンス」そしてギターやベース等をまじえた各論という構成で展開しているわけです。
しかし、当初から このテーマでは興味のある人は少なく、市場性が限られるので 拡散性もなく、厳しいかもしれないと考えていました。
ベーシストのジュンヨシハラに相談した時も、「弦楽器」「メンテナンス」という視点では難しいのではないか?という同様の感想を彼も持っていました。
しかし、原点回帰と言ったらよいか 温故知新と言ったらよいか分かりませんが、戦後復興の精神が元来のDIYの意味であるという事実を念頭におくことで、今後の活動に活かせていけるのではないかと思えるようになってきました。
このブログもDIYの歴史上の「雑誌」と同じ?
さて、こうして記事を書いていると、先ほどの
「ロンドン住民が Do it yourself をスローガンに街の復興に尽力を重ね、その時の雑誌の刊行により遠くアメリカにまで拡大した。」
というところの「雑誌」の役割は、現代ではネットというフィールドによって活かされているのではないかと感じます。
このブログもその微々たる一端かもしれません。
今後の展望
今思えば、ここに言うところのDIYをテーマにしてよかったと思います。
この記事を書きながら、とても意味深く、幅が広い歴史をたどってきた「DIYの精神」と当時の歴史観に触れる機会を得ることができ、今後の記事イメージが多岐にわたって膨らんできました。
DIYの本来の精神に振り返りながら、きっと しつこくブログを書き続けていくのだろうとしみじみ感じているところです。
この記事を読んでくれた方は ご理解いただけると思いますが、今後、私のとり上げるDIYというテーマの中には、日曜大工という意味ではないDIY本来の意味の記事が出てくることになるでしょう。
当初、幅が狭いと考えていたテーマが、実はとてつもなく幅が広いものだったということが確認できたことは、今回のこの記事を書いてとても有意義だったと思っています。
まとめ
DIYとは「Do it yourself」の略語。
第二次世界大戦でナチスドイツに空襲されたロンドンの戦後復興のスローガンがはじまり。
それは、「やってみよう!」
素人だけれどもチャレンジしてみよう!
自分でできることは自分でやろう!
他人任せにしない!
という精神が含まれている。