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ギターメンテナンス

ポールピースの高さ調整とPUの高さ調整

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~ポールピースの高さ調整とピックアップの高さ調整/ピックアップ交換を考える前にポールピースの高さで音質調整してみた方が良い~

私はフロントやハーフのPUセレクトを多用しますが、最近ピッキング時の音圧や歪みに違和感があって アンプのトーンやプレゼンスやPU高などを色々変えて ず~っと改善策を探ってたんです…。

やっとフロントのポールピース高が原因だという事がわかり、6本一回し下げしたらビンゴ!

エレキのセッティングは奥が深いですね…。

アンプのトーンやプレゼンスの調整をする前に行いたい

エレキギターのトーンをお気に入りなセッティングにしたいと思った時に、すぐにアンプを調整する人が多いと思いますが、先ずは楽器自体をしっかり調整する事が必要ですよね。

ピックアップ高を少し変えただけで 驚くほど変化を感じます。

ボーカルの録音でマイクとの距離に神経質なほどチェックを入れるのが何故かがよくわかります。

弦楽器はとっても奥が深くて、ボディーやネックは勿論のこと、付属部品のナットやサドル、フレットの材質や形状によって全体の音色が変わってしまいます。

その辺の話については、別ページでDIYによるメンテナンスという側面で取り上げてます。

そこで今回は、ドライバー1本で全体の音色を変えられるPU高やポールピース高の話をします。

PUとポールピースの高さ調整は混同しがち

私はトグルセンターでシングルPUっぽい音になるよう心掛けてます

ハーフトーン(フェイズイン)サウンドですね

そこから出る 鈴鳴りサウンドは フロントとリアの高さとポールピースのバランスで調整するんですが 各PU単体でも納得の音にする必要もあります

パラレル・フェイズインの特性は 緩く打ち消し合うデリケートな関係なので あっちが立つと こっちが立たず 調整には時間がかかります

ピックアップの高さを変えると全体音量がアップして、弦ごとの調整はポールピースで行うってことですよね?

マチャペロ
マチャペロ

基本的にはそうなんだけど、ポールピースって片側一列にしかないよね。

ゲイリームーアがフロントPUの向きを変えているのは何故だと思う?

全部のポールピースを高くすると、そのピックアップ自体を高くした時と同じような音なのでしょうか?

話を進める前提として PU高は弦に近づけると音の輪郭がくっきりします。

逆に遠ざけるとボワッとした感じになります。

歌っているときに、ボーカルマイクを口に近づけた時と遠ざけた時の違いと同じだと思います。

ここからは、そういう表現が難しいので、音圧と音量という単語で話を進めてみます…。

ポールピースの高さ=音圧

例えば、フロントピックアップのポールピースを高くしても「音量」に着目した場合、それほど変化を感じません。

しかし、ネック寄りの弦の大きな振幅の影響を受けるので音量というよりも音圧の変化を感じます。

症状としては、ピッキングの瞬間に詰まったような圧力と言った方が良いのでしょうか…。

ピッキングの瞬間のタイトな圧で音が潰れた感じです。

私はピックアップにシールドカバーを付けているので、ダブルコイルの開口側と閉鎖側の感度上、特にそれを感じます

これに対して、リアピックアップの場合は、プレゼンスのようなエッジが効いた感じになるわけです。

6本全部上げると金属ノイズのような感じも受けます

リアPUのポールピース
エッジを効かせてパラレルのメリハリを付ける

ゲイリームーアのレスポールは、フロントPUを逆向きにしていますが、こういう特徴を使って活舌の良い?音量調整が出来るようにしているのでしょうね。

PUの高さ=音量

音圧を大きくしたいのではなくて 音量を大きくしたいのであれば、ポールピースが低い状態でピックアップの高さ調整を行うことをお勧めします。

ポールピースはPU高で音量バランスをとった後に イコライジング的に高さを上げていった方がメンテナンス上の整理がつきやすいと思います。

フロントPUはポールピースを低く
フロントPUはポールピースを低くしてみる

ラリーカールトンが長年使っているチェリーサンバーストのES-335にナンバードPAFが付いていたころの画像をよく見ると そういうセッティングになっているようです。

ただし、フロントのエスカッションは弦に平行になるように向きを変えて取り付けていますね。

ピックアップ間のバランス

ピックアップの高さは、最終フレットで押し弦した状態で 弦の下とPUの間を測ります。

私の場合は、フロントの1弦側が2.5mm、6弦側が3.0mm、リアが2.0mmと2.5mmです。

この高さは、フロントとリアのパラレルトーンにした時の音色が一番良いセッティングです。

ダブルコイルピックアップは幅があるので どこを基準に測るのかで音質が大きく変わってしまいます。

私の場合は、弦に近い面を基準に計っています。フロントPUはブリッジ側、リアPUはネック側です。

これらのバランスが悪いと、トグルスイッチをセンターにしても フロントPUのトーンイメージとあまり変化がないというような事が生じてしまいます。

パラレルトーン(ハーフトーン)特有の鈴鳴り感を強調したい場合は、リアPUのポールピースを上げてみてください…。

ただし、パラレルトーンはPUの並列つなぎで 同位相のフェイズイン(ちなみにフェイズアウトは逆位相なので音が小っちゃくなってキンキンになります)なので、フロントPUのボワ感がある程度ないと色気のあるミックストーンにならないです。

この調整は両方のPUのバランス作業になるので、少々 手間と神経を使いますが、先ほどの計測値を基本にすれば ほぼOKだと思います。

PU間のバランス
PU間のバランス

エリックジョンソンは、電子ノギスを使ってまで PU高を測っているという話題を聞いたことがありますが、私はごもっともな話だな…と思います。それほど音色に影響しますから…。

実は私も電子ノギスを使っています。

ポールピースのバランス

私の場合は、6弦と4弦のオクターブ音を同時に鳴らして音量バランスをチェックします。

バランスに違和感があれば、ポールピースを1/8動かします。

もし4弦を動かすのであれば、後でもう1度チェックの起点になるので慎重に行いましょう。

6弦と4弦のオクターブ
6弦と4弦のオクターブバランス

次に5弦と3弦。

5弦と3弦のオクターブ
5弦と3弦のオクターブバランス

4弦と2弦。ここでは先ほどチェックした4弦が起点になっているので連鎖しています。

4弦と2弦
4弦と2弦のオクターブバランス

3弦と1弦。ここでも3弦が連鎖します。

3弦と1弦
3弦と1弦のオクターブバランス

バランスが良いと気持ちの良い和音が聴こえるので、神経を集中して行いましょう。

私はセミアコを使っているのですが、4弦の音色が全体のサウンドを左右すると考えてるので、特に念入りに行っています。

その結果 フロントの1~2弦と4弦を3/8高く 3弦を1巻低くリアは1弦と4弦を1/8高くしています。

まとめ

ポールピース操作は 隣の弦も感知するんで 単純ではないですよね…

特にPU単体への変化よりも フロント+リア 時に与える影響が大きいので ハーフトーンを多用する私は セッティングにとても神経を使います

アンプのトーンやプレゼンスで音質調整する前に楽器本体が出す音質が重要です。

PUの高さ調整とポールピースの高さ調整は、ドライバー1本で出来る重要な作業です。

PUをすぐに交換する人もいますが その前に試してみたらいかがでしょうか?

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