~インターフォンが鳴らない/鳴ったり鳴らなかったりなら 先ず配線の先端処理の劣化を疑うこと/DIYで電子基板の軽易な修繕~
インターフォンは、外部環境にさらされていたり 常時 電気が流れている機器なので、時間の経過により劣化してきます。
住宅地を歩いていると「インターフォンは使えません」などの貼り紙をしている お宅を時々見かけますね。
何もしなくて 断線することは あまりないので、原因はスピーカーの劣化・破損やスイッチの故障で鳴らなくなる 又は 配線の接点が劣化して鳴ったり鳴らなかったりする事が考えられます。
あれ~インターフォンは以前に外部機のスピーカーをDIYで修理しましたよね~
そうなんだよね~今回はピンポン鳴らなくなったので室内の親機の故障なんだよ…
作業開始
修理するためには、分解して状態を診ることが必要になりますが、やたらと分解すると収拾がつかなくなるだけでなく、線材を引っ張ってしまって接点が破断してしまうこともあります。
このため、まず疑わしい箇所を特定して、最小限の分解作業をする必要があります。
今回は、室内の受話器のボリュームで異状があるようなので、そこから分解してテストしてみることにしました。
修理箇所の特定
これが受話器のボリュームです。
ボリュームを左右にシャカシャカ動かしてみると、あまり手ごたえがありません。
また、動かした直後に外部の呼鈴ボタンを押すと「ピンポ~ン」となります。
しばらくして、再度試すと鳴らなくなります…。
このスライド式の可変抵抗器に接点復活剤を吹き付けてみました。
すると、直後には鳴っていましたが、翌日には鳴りません。
可変抵抗器によくあるカーボン塗膜の劣化だと思います。
よくよく考えると、もう25年使っています…。
こうなると抵抗器の交換か…。
分解
分解するべき箇所が、ひとまず決まったので実行します。
インターフォンには、壁穴から100Vの家庭交流が供給されているので、念のためブレーカーを落として作業しますが 電気工事士の資格に抵触しない範囲にとどめなければなりません。
可変抵抗器(ボリューム)を取り外せるか見てみると、5点でハンダ溶接していました。
これくらいなら、はんだ吸取線で、ハンダを取り除けば何とか外せます。
(昔、電化製品の工場のアルバイトで、ICをはんだ吸取線を使って取り外したことがあるのですが、ICは足がたくさんあるので、アレには時間がかかったのを思い出しました…。(笑))
故障部品の取外し
可変抵抗器は取り除いても、回路を少し変更すれば、インターフォンは使えるはずです。
あらかじめ、回路変更のイメージを持ちつつ、可変抵抗器を取り外すことにしました。
はんだ吸取線は、古いと表面が酸化しているせいか、ハンダの吸い取りが鈍かったです…。
取り外した可変抵抗器がコレ。
回路を変更してテスト
この抵抗器は、回路の途中で電流を制御して「ピンポ~ン」の音量出力を調整しているだけなので、画像にある小さな縦の2つの接点穴を繋いでしまえば、常に一番大きな音で鳴って使えるハズです…。
はんだを付けて、屋外インターフォンの呼び鈴を押してみます。
呼び鈴をテストするのに 忘れてはならないのは、受話器を置いた状態にするために、基板上のスイッチを下げた状態にしなくてはいけません。
輪ゴムでスイッチを押した状態にしました。
さて、どうでしょう…玄関から出て呼び鈴ボタンを押してみます…。
「ピンポ~ン」家の中から音が聞こえます。
見事成功です!大した変更工作ではないのですが、やっぱり嬉しいですね…。
作業終了
接点をブリッジして終わりでも良いのですが、受話器のボリュームつまみがないと、何となく見てくれが悪いので、ボリュームはダミーで残置することにしました。
先ほどの2点の接点がブリッジしているので、もはや可変抵抗器の調節機能はしていませんが、呼出音や通話の機能を持ちつつ外観も保ちました。
故障前と変わらない状態に戻りました。パチパチ(実は後でまだ不良が出てしまうのです…)
1年後 別の箇所が故障
1年後、インターフォンが またまた壊れました…。
今度は、使用後の時間の経過によって鳴ったり鳴らなかったり…また宅配屋さんからの指摘。
今度はフックスイッチの接点不良?
無謀にも部品の爪を追って分解、クリーニング。
中身は凄くデリケートなので代替部品の購入は覚悟です…。
クリーニング後、エポキシ接着剤を駆使して何とか組み立てて、テスターによる導通テストはOKでした。
直後の一連の動作はOKだけど、数時間置いてから再テストします…ダメならコンデンサ?(DIYの限界が見えてきた…多分ズボ換えしないとダメだな…)
1時間毎の間隔を置いてポストのボタンを押してみました…。
「ピンポ~ン」
鳴るじゃん! でも、まだまだ予断を許しません、しばらく観察を続けます…。
そして3時間後、鳴りません…。(涙)
スイッチの押し幅を深く?
じ~っと ニラめっこ…フックスイッチの感度が鈍く(ON OFF分岐位置が深く)なっているのかもしれないので、ツメに1.5mm程度のパットを付けて押し下げ幅を少し深くしてみました。
これでON OFFがハッキリするハズです。
以降、テストのたびに鳴ってます!やっと完了?
2日後、また鳴りません。
こうなったら、とことんつき合います…。
配線の端末処理が原因?
ネットで「インターフォンが鳴ったり鳴らなかったり」する原因を検索したのですが、新機への交換や修理発注の記事ばかり出てきます…。
そんな中、新機に取り換えたけど、やっぱり「鳴ったり鳴らなかったり」という記事が出てきました。
そして、原因は配線の端末処理が 不十分な状態だったという内容です。
外壁に設置されている このBOXの中にある配線接続の作業は 電気工事士の資格を要するハズなので 接続部分の圧着と絶縁のみを行いました。
その他、外部の子機側の接続も確認したところ、接点不良が疑わしい箇所が見つかりました。
外のポストに付いている子機の配線が、きつく締めつけても動いて抜けそうな感じなんです。
配線が細いので 噛み合わせが悪いようです。
先端の むき出し接点を巻き合わせにして、ガッチリ締め付けることが出来ました。
それ以降、何日経過しても鳴っています。
親機の交換
親機の同型の受話器部分がヤフオクで1,500円即決で出ているのを見つけたのです。26年も前の機種なのに 良いコンデションで安価です。
我が家の受話器は、かなり黄ばんで 呼出音のスライドボリュームもスカスカで壊れているし、この後も基板回路の寿命が続くと判断。このチャンスを逃したくないので 早速落札!
これで 紆余曲折した作業は 一件落着と しばらく安心していたのですが…何日かして 今度は外部ポストに埋め込んである子機の調子が悪い。
先ほど掲載した 配線の先端 をショートさせると「ピンポ~ン」となるので、子機のトラブルだと分かります。
とりあえず、ボタンスイッチにつながる基板上の接点をハンダでブリッジしたので、一応使えてます(外部スピーカーに出力する信号の増幅が弱なって 声が小さいですけど…)。
子機も交換
経年劣化で頻繁に発生するトラブルを止めるには、モジュールごと交換するのがbetterですよね。
型番はIE-JEX。昔に製造終了してメルカリやヤフオクでも既に出品されてません。
類似品は IE-JA。形状が違うのですが、プラスチックを切って既設のステンレス板に取り付ければ IE-JX と同じ仕様になります。
早速、メルカリで送料込みで3,000円の新古製品が出てたので即購入。
親機も子機もDIYで どこまでできるか頑張りましたが、ツギハギだらけの延命の末、両方とも中古の既製品に交換しました。
まとめ
インターフォンの故障は、外部ユニットのスピーカーの破損が多いですが、稀に室内の受話器のボリュームやフックスイッチの劣化で呼び鈴が鳴らないことがあります。
これらの部品はDIYでも修繕は可能ですが、鳴ったり鳴らなかったりの症状の場合は、全取替を考える前に 接続部分の配線材の端末処理が適切な状態か良く見た方が良いと思います。